ゲームを始めよう
お父さんに車を走らせてもらい、旭川のゲーム店についた。ここは私の親戚が経営してる店で、特別に私の分だけ取り置きしてもらった。そこ、不正とか言わない。
見事ゲット! 私は帰り道、エロ本を片手に楽しみにしつつ、家に帰ったのだった。
そして、ゲームを起動。
まず、どのゲームでもあるのがキャラメイク。自分で設計したキャラか、写真を読み込ませて作るリアルモジュール。基本的にはリアルモジュールを選ぶ人は少ない。
だって現実の顔、ネットにさらしたくないもんね。普通は。まぁ、私はVの体のほうに見た目を似せたいが、やるとリスナーの皆さんにしばかれるので泣く泣くリアルモジュールにした。
『少しいじるところがあれば手直しをしてください』
というが、手直しするところはない。
私は結構いいボディしているとエロじじいから言われるし、胸大きいし。
『では、お名前を決めてください』
「そりゃVと同じ名前の……玉藻イナリでしょ!」
私の名前は喜々津 希恒。キツネだからイナリ。キツネいいよね。触れたらもれなくエキノコックスだけど。くっ、たまに見る野生のキタキツネに触れたいんだけど触れられない事実。
名前を記入し、次は種族と最初の武器を選ぶみたいだ。
種族はいろいろあって、オーソドックスなステータスに育つ人間、パワーが育ちやすいドワーフ、防御が育ちやすい竜人、魔力が育ちやすいエルフなどなど。
使いたい武器に合わせて選ぶのが一般的。私はよく愛用する武器は……。メイスなんだよな。斬るよりぶったたくほうがストレス解消になるくね?で選んでそのまま使ってる感じで。
だから本来はドワーフなんだけど。でも……ドワーフってイメージがな……。もっとこのイナリちゃんは可愛い種族になりたい。
だから獣人を選んだ。獣人はただ人間の見た目に獣の耳と獣の尻尾が生えた、ケモナーが皆口をそろえて”そうじゃない”というようなもの。
まぁ、それはそういう性癖だからであって、一般の人は”猫の耳ついてる! かわいー!”という感性なのだ。ケモ耳つけただけで獣人というのはたしかに私としてもどうかと思うが!
「獣人一択! キツネ耳をお願いね!」
『了解いたしました。では、ゲームの世界をお楽しみください』
そういって、私はゲームの世界に放り込まれたのだった。
最初の地点は女神さまの像が置いてある広場。VRの世界では本当にリアルに思えるような質感で出力されている建物たち。本当に第二の現実といわれるぐらいにはリアルだ。
まぁ、ゲームを始めてまずやることは武器の変更だよな。
このゲームは、みんな初期はショートソードで始まる。魔法使いでも、誰でも。ショートソードスキルは誰でも最初から所持していて、そこから魔法を覚えたり、ユニークスキルを覚えたりしていくらしい。
私はこのショートソードを売り、一番いいメイスを手に入れるのだ。
そう決意して、私は武器屋を探すことにした。