農地、買いました
王都を十分に満喫していたとき、目に入ったものがある。
それは農地買取者募集中という看板だった。王都郊外に畑があり、その畑を買い取ってくれる人を募集してるようだ。
「農業もこのゲームでできるのか」
農業もできるとかすごいな。
道具屋にはいってないけど、もしかしたら道具屋には鍬があるのかもしれない。私は今結構手持ちに余裕があるし、ワンチャン買えないかなと思い、農地を買おうとしてみた。
「買ってくれるの? ありがとう!」
「いや、まだ買うと決めたわけじゃ……。財布と相談して……」
「そっか。ま、そうだよね」
と、畑を売ってくれるNPCががっかりしていた。
畑の説明をしてくれている。長年放置し続けていたから荒れ放題らしく、その分安くしてくれると言っていた。
値段を聞いてみると、本当にお金が事足りてしまった。なんかいいことあるかもしれないし一応畑でも買っておくかと思い、畑を購入する。
そして、一応道具屋に向かうと鍬と鎌が売ってあったのでそれを購入し、農地に向かう。
畑は何haあるんだっていうくらいでかかった。そして、雑草もボーボーに生えているわ、土が荒れているわで本当に手を付けられてないんだなってのがよくわかる。
これを改善するのはいつ終わるんだろうかと思っていると、コメント欄で質問が投げられた。
『なんで農業やるつもりもないのに土地買うんだよ』
『農業プレイ始めるつもり?』
という質問が。
まぁ、それはもっともだろう。私だって公式が漏らしたある情報さえなければ買おうとは思っていなかった。
「昨日の夜、エゴサとかいろいろしてたらさ、運営の公式アカウントがすぐ消したツイートが目に入ったんだよ。内容は言わないでおくけど、でも、その情報だけで畑買うことを検討することは視野に入れたんだ」
『何それ知らんこわ……』
「なかばズルだけどね。公式がおもらししちゃったから。早漏なんだね」
自分の育てている畑にはごくたまにレア鉱石が採れる採掘スポットがわいたりするらしい。そして、たまーに、ダンジョンのようなものができるかもしれないということだった。
それ目当てで一応は買った。あと、作物を自分で育てて売れば金策にもなるしな。水やりは必須になるが、のちのちワープ魔法とか習得すれば問題ないだろう。
私は全力で雑草を引っこ抜き、鍬で荒れていた畑を耕す。
「うおおおおおおおおおお!!!」
思春期の女子高生のエロパワーを見せるときだ。
こんな単純作業でこそ、エロイ妄想をして活力にするのだ。
「よし、ざっとこんなもんだろ!」
私はこんな広大な面積の畑を耕し終わったのは夜の12時付近だった。
配信も6時間を超えてしまった。さすがにやりすぎた。配信外でやるべき作業を黙々と配信してしまった。視聴者も雑談に移っている。
いや、うん。集中しすぎた。まじで畑耕すのに夢中になってた。
「めっちゃ配信時間いったな……。さすがに今日はもうやめるかな。ごめんね。つまんない時間だったでしょ? また次の配信でお会いいたしましょ! ではでは!」
私は配信を切る。
そして、自分の畑を見る。……よし、何か植えるのは明日にしよう。寝る!




