表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/173

常世の後

 何とか生き残った。

 東京を包み込んでいた夜は終わり、私はポーションを飲み干し体力を確保する。アルカードたちが追いかけてきた。


「倒したか」

「めっちゃギリギリでしたけどね」

「レベル差があるから仕方ないだろう。鑑定した結果、そいつのレベルは200だった」

「ほぼ私の二倍やんけ」


 どうりできついわけだ。

 私は常世の上に乗っかり、目を覚ますのを待った。


「夜の帳があがり……逃げていた人も空を見上げていた……」

「やっぱ昼は青空のほうがいいよね!」


 ロロちゃんたちも合流し、この後どうすればいいか相談しようとしていると、私たちの目の前に光が差し込んだ。

 そして、光の中から、赤い巫女装束を着た女が現れたのだった。私たちはまた再び構えるが。


「そう身構えないでください。私は敵ではありません」


 そういう声が聞こえる。

 すると、常世の体がふわっと浮いたかと思うと、その赤い装束の女がニコッと笑った。


「誰ですか?」

「私ですか? 私の名前は天照アマテラス。この国の神様です」

「神、様?」

「常世の暴走を止めていただき、ありがとうございました。常世の考えが分からず、止められなかったのは私の不徳の致す点です。よくぞ、止めていただきました」

「……まぁ、当然っすよ」


 天照は笑顔でほめたたえてくる。

 ……それだけ? 死にそうになったのにそれだけで終わるの? いや、なにかねだるわけじゃないけど、死にそうになって止めた報酬が欲しいんですけど。


 私がそう思っているのが顔に出たようで。


「落ち着いてください、天狐。報酬はきちんと授けましょう。人類の被害を最小限で済ませたこと、常世を倒したこと。すべてのことに感謝を。感謝の気持ちとして全員にスキルを授けます。もちろん、常世を倒した天狐は特別なスキルを授けましょう」

「まじっすか?」

「ふふ。日本をよろしくお願いしますね、皆様。では、常世が目を覚まさぬうちに私は帰らせてもらいます」


 そういって、天照は天に帰っていく。

 その瞬間、私の脳内にアナウンスが響き渡った。


《特別スキル:色即是空 を取得しました》

《特殊空間スキル:極楽浄土 を取得しました》


 ということだった。

 色即是空の効果は、HPが尽きた際、霊体となって甦る。霊体となったら物理攻撃でのダメージは受けないということだった。

 なるほど、第二形態みたいな感じ。

 で、特殊空間スキルってなんぞや? 初めて聞いた。

 極楽浄土の効果は、周囲10mに極楽浄土を展開し、味方のHP、MPを全回復させる……。というもの。ただ、消費MPはものすごく多く、天眼の効果は乗らないみたい。

 極楽浄土を使用するのは、ピンチの時かな。ここまで消費するのは痛すぎる。最大MPの8割を持っていかれるのはきついな。天眼の効果も乗らないから神通力と併用は難しいだろう。


「ふむ、諸行無常スキルか。いいじゃないか」

「ん? 私色即是空っていうスキルだったよ?」

「私は一蓮托生だった」

「我は天上天下唯我独尊というスキルだ」


 アンテ、めちゃくちゃ満足そうにしている。

 それぞれの効果を聞いてみた。諸行無常は要するに相手のバフ効果、自分にかかるデバフをすべて無視して攻撃する常時発動型のスキル。

 一蓮托生は、パーティメンバーと戦闘しているとき、パーティメンバーの能力を1.3倍するというもの。

 天上天下唯我独尊に関しては、本当に強いスキルで使用すると数分間、自分だけ能力を上げるというもの。連発はできないらしい。


「それぞれ何かを得ることはできたか……。ふっ」











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ