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ヨモツイクサ ②

 自衛隊までもが投入され、戦線は混沌を極めていた。

 銃を構えて異形の物を狙うが、効かず返り討ちにあっている自衛隊の人。おびえて、腰が抜けたのか動けない人。

 私たちはそれも庇いながら全力で戦っていた。


「アルカードたち、体力に余裕はあるか!?」

「まだ全然! 僕をなめないでもらいたいね」

「ちょっと被弾はしちゃったけどまだ余裕はあるよ!」

「ふっ、問題ない。月が我を鼓舞してくれているからな……」


 まだ味方陣営は余裕があった。

 

「ふむ、わがヨモツイクサをここまで削るか。仕方がない。貴様らには特別な兵士をやろう」


 そう男が言った瞬間、目の前に棍棒が振り下ろされた。私は自衛隊の人を蹴飛ばしその身で受ける。星の守りが発動し、無効化してくれた。

 私は棍棒をのけ、顔を見る。

 赤い顔をした鬼がそこに立っていた。


「天翔神通力!」


 すぐに消し飛ばしたが。

 私は神通力を使い、すぐに倒す。男は少し面白そうに笑っていた。


「さすが天狐だ。妖怪の中でもトップクラスなだけある。有象無象では話にならないね」

「そう。私がこっちについてんだからやめなよ。意味ないよ」

「有象無象で通じないのなら私が出るしかないか」


 そういうと、男は笑いながら戦闘態勢をとっていた。


「……お前名前は?」

「ふむ、名前はないよ。好きに呼ぶと言い。だが、名前はないが、役割はある。私は常世の国を治める王とでもいえばいいかな」

「……常世」

「常世の国を統べる闇の王……。常世之闇とでも言えばいいよ」


 そういうと、常世は距離を詰めてきて私を思い切りぶん殴る。

 星の守りが発動し、ダメージはない。が。


「夜は私の時間だ。私の味方でもある。闇はすべてを奪う。まずは君の視界を奪った」


 真っ暗で前が見えない。

 周りで戦う音がうるさくてわからない。殴られたことによる追加効果だな。あまり被弾しないほうがよさそうだ。

 星の守りはダメージは防ぐが、追加効果は防げないからな。


 私は視界を捨て、集中。

 精神を研ぎ澄まし、私は気配を頼りに魔法を放つ。目の前に拳が出されている気配がする。私は躱し、カウンターとして魔法を食らわせた。

 手ごたえ、あり。いける。


「見えないのにしっかりとやってくるじゃないか。さすがというべきか……。天狐の力か。いい。実に欲しい!」

「やらねえよバーーーカ」


 私は気配を探る。

 すると、だんだん視界が見えてきた。どうやら、視界を奪われるのは時間があるらしい。一定時間を迎え、視界が元に戻った。

 ちゃんと姿を認識できる。これなら大丈夫。


「ちっ、戻ったか。なら再びやるまでだ」


 そう言って、距離を詰めようとしてくる常世。

 私は躱そうとするが、私の腕をがっしりつかむ謎の影。夜はあいつの味方か……。夜である今はあいつの独壇場といったところか。

 だがしかし。


 常世は私を殴ることはできなかった。


「アルカード、遅いよ」

「君みたいに一撃必殺を持っているわけではないから仕方ないだろう。ほぼ無傷なのとMPを消費せずに倒したことだけで十分だ。それに、2分程度だろかかった時間」

「だね。アンテ、ロロちゃんはまだ苦戦してるみたいだし……」

「手助けに行ったほうがいいか?」

「いや、アルカードは周りの有象無象を対処して。ボスは私一人でやるから」

「了解だ」


 私は動けるようになった。

 さて、範囲魔法が使えないから心して戦わないとな。














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