黄金のリンゴ
緊張がほとばしる。
私が選ぶのは。
「ま、マルーンだね」
「ボク……ですか?」
「そ。エデンの園の話はマルーンがいないと知らなかったし。一番最初に見つけたのはマルーンだからね」
最初に話を持ち掛けてきたのはマルーンなのだ。
私はマルーンに手を差し伸べる。マルーンは私を見て涙ぐんでいた。それほど? コメント欄も女神のようだとか言われてる。なぜ。
私はマルーンとともに、看板を越えてその先の荒野に現れた森の茂みの中を歩いていく。一本の道ができていて、進んでいくと泉があり、その前には一つの樹が。
その樹にはリンゴが成っている。
赤いリンゴではなく、黄金色に輝くリンゴが。
「すごい、黄金のリンゴだ」
「二つ……。それぞれ一つということでしょうか。ボクの分もよろしければ……」
「だーめ。私にばかり譲っているとだめだよ。たまには自分ファーストにならないと」
私は譲ろうとしてくるマルーンを牽制し、一個リンゴを収穫する。
黄金色にがかやくリンゴ。禁断の果実という名前のようだ。エデンだからか? マルーンもリンゴを一つ手に取り、私はリンゴをかじる。
シャリシャリとした触感のリンゴはとても甘い。熟したメロンを食べてるかのように甘い。
《禁断の果実を口にしました》
《特別スキル:エデンの雷を習得しました》
おお、スキルをゲット。
エデンの雷。流星群と効果は同じのようだ。私の周辺に強力な雷を落とすというシンプルなもの。で、天眼の効果が乗る。
ただ、ここまで頑張って得るスキルがちょっとしょぼいというか。
「マルーン、なんかゲットした?」
「ええっと、人間という種族と特殊反応をしまして……。特殊スキルの生命と知恵の輪という者を手に入れました」
「……なにそれ?」
「効果を読み上げますね。ええっと……。生命と知恵の輪に包まれたものは一度死んでも蘇生され、復活し、能力を上げるというものです。ただ、対象は1名というもので」
「なるほど。サポート寄りのスキルか」
死んだら能力あがって生き返るということか。
ただ、対象は1名であり、消費MPを考えるとそこまで連発はできなさそうだ。ただ、このゲーム……。蘇生魔法がなかったんだよな。
キルされると即時ゲームオーバー。またリスポーン地点からのやり直し+デスペナルティとして1時間程度のステータス減少。これが普通だった。
けど、蘇生が来た。蘇生スキルとして。
「このゲーム初じゃない? 蘇生スキル」
「そうなのですか?」
「SNSとかで情報を集めたりしてるけどそういうスキル持ってるって聞いたことないし」
私がそういうと、マルーンはあからさまに嬉しそうにしていた。
コメント欄も蘇生スキルは聞いたことがないようで、本当に初かもと浮かれあがっている。こればかりは運営のみぞ知るという感じか。
「まぁ、とりあえず出よう」
「はい!」
私は帰りの道を歩く。
ちょっと考えてみる。というのも、私は種族と特殊反応こそしなかった……が。私に対して特殊反応をするところもあるんじゃないか?
ちょっと気になるな。探してみるか。今度はメンバーを変えて。




