荒野の王 ②
ミーア兄妹の連携はとてもすごかった。
躱した場所にもう一匹が回り込み、攻撃を加える。死角をなるべく作らないようにしていて、狡猾に戦ってくる相手だった。
すでに星の守りは使い果たし、次からダメージを受けてしまう。が。
「しょうがない。流星群」
私は流星群を放つ。
天から無数の隕石が降り注ぎ、ミーア兄妹を巻き込む……かと思ったら、危機を察知したのか地中に潜り始め、深く、深く潜り始めた。
流星群が降り注いだ後、ひょこっと穴から顔を出すミーア兄妹。無傷か……。
「とりあえず1体は倒すか」
私は天翔神通力を使った。
相手の総HPはわからないが、そこまで1体あたりの体力はないだろう。2000MPを消費し、それの3倍を1体に与える。
さすがに見えない力には敵わなかったのか、1体に神通力があたり、そのまま倒れた……かと思いきや、倒れる1体を見て、ひとりが回復の薬のようなものをかけて全回復していた。
「うそぉ」
ほぼ同時に倒さなきゃいけないんですが全員。そりゃないでしょ。
いや、それだとクソゲーだ。もしかすると、役割があるのではないだろうか。実際、攻撃するのはデカいミーアキャット2匹だけだった。
1匹はもしかして回復役なのではないだろうか。となると最初に潰すべきなのは。
「お前だな、回復役!」
三位一体で戦うのなら回復、攻撃、防御と役割ができるはず。
役割で一番大切なのは長期戦になると回復役。回復役がいるから蘇生できるし、倒れない。だから回復役を倒せばいいけど、回復役を倒すのにも一苦労だろうな。
というのも、相手もわかるからだ。このミーア兄妹もそれは理解しているから、回復役を狙うとわかったのなら全力で守ってくるだろう。
「狐業火!」
私は回復役であろうミーアキャットに狐業火を放つが、途中で尻尾を盾のように扱うミーアキャットが割り込み、そいつに当たった。
素直にやらせてくれないよな。さて、どうこの防御をかいくぐり、回復役を倒したものか。
「お、鬼さんこちらですぅ! く、来るなら来いぃ!」
「スコティッシュ?」
「えいっ!」
スコティッシュは近づき、一匹にナイフを突き刺していた。
攻撃役のミーアキャットのヘイトがスコティッシュに向く。
「い、1匹は私が引き寄せておきますぅ!」
「……助かるよ!」
となると、この防御の奴を何とかすればいいな。
MP消費が激しいが、神通力を2連発だ。2000も消費したら倒せるのは確認済み。あた放てる回数はざっと10回くらい。10回はずしたらダメなんだが、この後もなにか控えてるかもしれないし、あまり消耗はしたくないな。
1発で決めろ。
失敗は許されねえ。それぞれたった1発で潰せ。神通力で。当てるのはちょっと難しいけどな。
神通力はとても強力なスキルだ。だがしかし、当てるのはむずい。
というのも、神通力は見えない弾を撃ってる感じだからね。手のひらを前に向け精製した見えない弾丸を撃ち込むようなもの。練習しててわかったが、時折外した。
軌道修正は難しい。私にも見えないから。
見えない弾を撃ってるようなものというのも、このシステムの憶測でしかないが、強力なスキルはなにかしらデメリットや使いづらさがあるものだ。
「確実に当てるなら至近距離だな」
私は走って距離を詰めた。




