オフ会参加してみよう
私は東京まで飛び、先にまじまんじの事務所に挨拶を済ませた。
先日のイベントでの賞品でまじまんじ、アローライフから直で依頼が来た。断る理由もないし、東京を楽しめるのならそれでいいと思い土曜日に東京に来る。
配信は夜からなので、私はとりあえず少しメイクをしてとある場所へ向かった。
とある場所とはカラオケ。ここではオフ会をやる。誰のかというと、私の。本人であることを隠してオフ会に来てみた。バレてもバレなくてもネタにはなる。
私は普段しないメイクと、髪型を少し変えて帽子を被る。これで割とバレないと思う。友人のお墨付き。
普通のVならこういうことしないでいいんだけどな。私は顔バレてるし。
「あ、すいません……。間違いでなければ、コンコ様でしょうか」
「あっ、はい……。コンコと申します。あなたは……?」
「ぼ、僕は地雷屋といいます」
「地雷屋さん! 初めまして。他の皆さんは?」
「そろそろ来るとDMが……来ました」
ゾロゾロと現れる人たち。
女性もいた。ちょっと心強い。数えて全員いるということで私たちは中へと入っていく。
大部屋に案内された私たちはとりあえず自己紹介から始めることにした。
「改めまして、私はコンコと言います。イナリさんを推してます。あまり、その、歴が浅いですが、どうか今日はよろしくお願いします」
「ええと、僕は主催の地雷屋と言います。本日はよろしくお願いします」
「えと、私はきゅーびといいます! よ、よろしくお願いしまふっ!!」
「俺はグルメッポです。趣味はレストラン巡りとイナリ様の配信を視聴することです。よろしくお願いします」
「えぇと、あたしは人生オワリです。よろしくお願いします」
人生オワリという名前は何があったんだ。
全員の自己紹介が終わり、飲み物が届いた。地雷屋さんが乾杯の音頭を取り、グラスをぶつけ合う。
「改めて、皆さんがイナリ様を推す理由を知りたいです」
「俺からいいっすか?」
「どうぞ、グルメッポさん」
「俺は……その、21歳で、元会社員で……勤めてた企業がブラックだったんだ。久々に家に帰って何か動画見ようと思って開いたらイナリ様が配信をしてて……とても楽しそうにしてて、いいなと思ったんだ。あんな可愛い子が毎日を全力で楽しんでて……。そっからファンになりました」
ほへえ。
「そうなんですか……。わかります。イナリ様はどんな時でも笑顔を絶やしませんし、めっちゃ楽しそうですよね」
「わかるわぁ……。あたしもちょっと似たような理由かな」
「イナリ様に救われてるのは皆様一緒ですね!」
「そうなの?」
救ってるつもりないんですけど。
いや、前にもいじめられてた子が私を救いだと言ってたな。なぜなんだ。
「イナリ様は裏表なさそうなのがいいですよね」
「わかります! 嘘をあまりつかないというか……。人を悪くいうこととか聞いたことないですよね」
「見てて気持ちがいいよ。やっぱ悪口はダメ」
「煽ったりはするけどね……」
私はそうつっこむとそれもいいと返された。いいの?
「では、イナリ様談義に入る前に、イナリ様がカバーした曲でも歌いませんか?」
「いいね! 歌おう!」
なんか歌う流れになったし。
私は地雷屋さんからマイクを手渡される。仕方ないので適当な曲を選び歌う。が、カバーした曲ではなく、普通に好きな歌を歌った。
そのせいで少し冷めた気がする。
「あの……」
「す、すいません……」
「あ、いえ……」
なんだろう、私基本的にオフ会向いてないな。
私はトイレ行ってくると告げてドアを開けると。
「あれ、イナリちゃん?」
「ママ?」
「わ、メイクしてる! 一見気づかなかったわ〜! 何してるの?」
「あ、いや……あっ」
私は背後を振り向いた。
みんな驚いてこっちを見ている。
「あの……正体隠して私のオフ会に……」
「…………やっちゃったかしら」
「はい」
ドアをパタンと閉める。
仕方ないので私はメイク落としをして、顔を見せた。みんな驚き固まっている。
「あの、なんかすんません……」
「イナリ様だ……」
「マジなんで本物がここに……」
「その、配信コラボ予定があって来てるんです……。暇つぶしにオフ会に参加してみようかと」
「そうなのですね! 先程は失礼な対応を! イナリ様の歌素晴らしかったです!」
「急に手のひらクルックルなんですけど地雷屋さん」
「あ、ああ、あの、サインよろしいでしょうか……」
「描きますし、写真撮りましょ?」
「いいんすか!?」
喜んでもらえるなら……。、




