残り時間1時間!
連合軍でVを倒し、時刻は午後5時となった。
私たちはとりあえずママと合流する。ママは一度死んだらしく、あまり持ってはいなかったポイントをあげてしまったのだとか。
それはまぁ仕方ないだろう。
「ごめんなさいねぇ……。私が提案したから私が一番稼ぐべきでしたのに……」
「気にするな。ママは戦闘はあまり得意じゃねーんだからよ! 戦闘はあたしとイナリに任せとけ!」
「そうっすよ! ね?」
「うぅ……優しさが身に染みます……。あと残り1時間! 気張って死守しないとですね!」
「任せてくだせぇ! ママ様! 私も協力しますよ!」
「桜ちゃん……!」
「イナリ様がママの味方ならば私も味方ですっ! 事務所は違えど仲良くしましょーねっ!」
「シロちゃん……!」
残り1時間はママのポイント死守だ。
もうポイントを稼ぐのはあまりしないで、リキエルさん、私、不知火さん、桜、シロでママの護衛だ。
残り1時間。最後のダメ押しで戦いたい人も多いだろうからな……。ママのポイントはなんとしても死守しなければならないだろう。
「あっ! 前100mくらい先にVの人発見です! このままいくと鉢合わせますがどうしましょうか?」
「何人?」
「えーと、あっちも連合軍みたいなの組んでそうですね……。目視できる範囲でざっと7人です」
「こっちより多いな。シロ、ママを抱えて飛べる?」
「はい!」
「じゃ、私が一掃してくる」
「あたしもいこうか?」
「いや、リキエルさんはここで後ろとか見ててほしいんです」
「わかった!」
私は走ってそのVの人のところへ向かう。
姿を現すと、相手がものすごく警戒していた。私は瞬時に魔法を唱える。特別水魔法”大津波”を発動させると、巨大な水の波が相手を飲み込んだのだった。
巨大な水が押し寄せ、周囲の建物ごと飲み込んでいく。水は自然と消え、プレイヤーたちはまとめて倒れたようだった。
つ、つえー。めっちゃ威力の強い範囲魔法って言う感じか。その分消費MPがばかにならないくらい多いけど。
1万ちょい残っていたはずのMPがもう千くらいに減っていた。めっちゃ消費するから乱発は無理だな。これは天眼の効果対象にはならないようだ。まぁ、さすがにこの威力の魔法を消費MP10で撃てたら強いわな……。
「終わりましたで」
「早いねぇ。見ていたけど、なんだいあの魔法……」
「津波……」
「日本で手に入れた特別な魔法です! 流星群もありますし範囲魔法には事欠きませんよ」
「相手取りたくねえなお前……」
「ですです……。あの範囲でバカみたいな威力って……」
「味方でよかったですねぇ」
「さすがイナリ様……!」
威力が高い範囲魔法というのはものすごく強い。が、今の状況ならば味方の近くでやると見方を巻き込む。
パーティ登録してない相手の近くで撃つと巻き込んでしまうのが難点か。
「さて、あと残り30分だ。気を抜かないようにしないとねぇ」
「そうですねぇ。皆さん、頑張りましょう!」
「おー!」
「応ッ!」
「おー」
「おーっ!」




