玉藻イナリ連合軍
私は空中に投げ出されていた。
「シロッ!」
「了解ですーーーーーーっ!」
飛行スキルが使えるシロに我が身を支えてもらい、着地する。
目の前の敵は相手を吹っ飛ばすスキルを持っているようだった。星の守りでダメージはないと言えど、相手の追加効果は受けてしまうので、大きく吹っ飛ばすような効果がある魔法を受けたみたい。
「その程度で私が死ぬかぁーーーっ!」
私は魔法を放つ。
魔法は相手に着弾し、一発で相手をキルしたのだった。
「ふぅ、シロがいて助かるよ」
「いやはや、とても光栄ですなぁ! さぁ、まだまだ気を抜かず、たくさん倒しましょーね!」
「だね。っていっても……。さっきの奴らといい、天野橋盾コンビといい、ペアを組むメリットなんてこのゲームであるのかね」
ペアを組んでもいいことはない。
ポイントは直接攻撃を加えて倒した人がもらえるシステムだ。攻撃を一度与えたら平等に分配されるとかそういうのではなく、倒したら、だ。
優勝を狙うならコンビである必要性は皆無だし、譲渡できるとはいえど個人で動いていたほうが圧倒的にやりやすい。
私としてはこういう感想なんだけどほかは違うんだろうか?
「うーん、やっぱ一人と二人じゃ結構変わってきますからねぇー。どちらも優勝を狙うつもりならやはりコンビである必要性はないんですよね」
「だよな」
相手した時には非常に厄介にはなるが、だとしてもだ。
私はその疑問を持ちながらVを探してまたひたすら歩く。すると、リキエルさんがいたのだった。
「Vです」
「だね。ってか、あの人はいいよ。あの人は味方だし」
「そうなんですか?」
「リキエルさんー」
「お、イナリ! 調子はどうだ?」
「結構集めましたよ。リキエルさんは?」
「もうたくさんだぜ……ってそっちはまじまんじの……」
「まじまんじ所属、天使シロです! 天神リキエルさん、天使仲間としてよろしくお願いいたしますねっ!」
「お、おう……」
リキエルさんは少し照れ臭そうにしていた。
「……で、味方なのか?」
「らしいです。私のファンだそうで」
「そうか……。お前のファンって相当いるからな。Vの間でも。さっき都城 桜に会ったんだけどよ、お前が参加してるっていうと私のポイントを差し上げるべく探しに行こーっていって行っちゃったぞ」
「えぇ……」
「同担の方がいるのですね。ふふ、ぜひとも会ってみたい……」
「いや、あっちから来たぞ」
というと、ピンク色の髪をたなびかせ、トタトタと走ってくる姿が見える。私を見かけてうれしいのか、めっちゃくちゃ笑顔で近寄ってきた。
「お久しぶりです、イナリさんっ! 都城 桜ですっ! 覚えていますかっ!」
「そりゃ……」
「くぅー! 嬉しぃー! あ、イナリさんっ! ポイントのプレゼントです!」
というと、ポイントを譲渡しますかというアナウンスが聞こえた。
「いいけど、私ママに譲渡する予定なんだけど」
「そうなんですか? なら直接ママに渡したほうがいい感じでしょうか?」
「になるかもね」
「ほほーん。了解です! 推測で言うと、イナリさんはママに頼まれて参加した感じですねっ! イナリさんはこういうイベントで優勝に興味ないだろうなーって薄々思ってましたから」
「よくわかってるな私のこと」
「えへへ。デビュー当初から見ているファンなので……。で、こちらの方は?」
「初めまして! 堕天系VTuberの天使シロです! イナリ様のファンでともに行動をさせてもらっております!」
「同担の方!」
桜は同担を見つけてうれしそうにしていた。
もはや意気投合したようで、私の良さを語りまくっている。本人の目の前でやめてくれませんか。ちょっと恥ずかしいんですけど。
「よーし! じゃ、私もイナリさんとママのために一緒に行動いたしますっ! 三人でいたら敵なしですよっ! 近接はお任せください!」
「ならあたしもついていくぜ。連合軍だ」
「なんか戦力めっちゃ増えてるー……」
これを一人で相手取るのは相手視点めっちゃきついだろ。




