廻れ雪月花 ②
廻さんはそのまま魔法を放ち建物の壁をぶち壊し外に飛び出した。
ビルの7階から落下していく。私もそれに続いて彼女の後を追う。
「追いかけてくんなよぉー! 近接苦手なんだってェ!」
「仕掛けてきたのはそっちだろ!! それに落下中は身動きできねえよなぁ!? 狐業火!」
私は狐業火を放った。
「魔法? 効かないよ!」
「魔法じゃないんだなそれが」
狐業火は油断していた廻さんに着弾する。
廻さんは驚いたようで、ダメージ受けたことにビビっていたようだ。
「えっ!?」
「スキルだからね、魔法じゃない……。それより、落下中、私は廻さんを仕留める手を何度も持ってるけど大丈夫?」
「えっ」
多分、もう削れたHP的に考えて天翔神通力でも十分倒せるぐらいの体力にはなっている。むしろこの固定ダメージを使ったら倒せそうだ。
けど、今の私にはMP回復手段がない。ポーション切らしてるし……。使ったら自然回復を待たなきゃいけないからMP的にあまり使いたくないんだよな。
橋盾、プリティーコンビとの戦闘でもMPたくさん消費しちゃったし。
「躱せないのはそっちも一緒でしょ! やられる前に仕留める!」
そういって廻さんは魔法を放った。
私も落下中であるため、たしかに自由には動けない。そして、落ちる速度は皆一定なので距離を詰めることは不可能だ。
だから私も狐業火とかで削っているわけなんだが……。
あっちもあっちで魔法使いだ。
「くぅ~、クールタイムが長くてあまり使いたくなかったけど仕方ない」
廻さんは覚悟を決めたように私を見据えた。
何か来るな。躱せない落下中に大技をやるつもりだ。どう対処するか。なるべくキルはしたくない。
廻さんの持っているポイントも欲を言えばほしいから。だけど、この状態で大技を避けれる自信はない。
保守に移ってキルをする。
それが一番手っ取り早い。それが一番たやすい。が、動画的に美味しくない。動画で映えるのは保身的な行動ではなく、超強気に攻めた動画だ。
保身はつまらねえからな……。ならやることは一つか。
「来い、受け止める! 廻さんの愛!」
「そこまで重くはないよ」
と、廻さんが魔法を唱えた。
私の目の前には大量の花が咲き誇る。その花が回転しながらこっちに花弁を向けていた。そして、ピカッと光ったかと思うとレーザーが私を包み込む。
まぶしいレーザーで目を開けていることはできず、レーザーが当たってゴリゴリに体力が削られていく。
私自身、魔法防御力はあるほうだ。
レベルが100になって魔法防御力は2900。
HPが3100、魔法防御力が2900。これで受けれたらいいが。
光がやんだ。レーザーが止まったようだった。
「……耐えられたっ!?」
「どうでしょう!」
私の耐久を甘く見たな!
私自身、天狐という種族で最終進化であるうえに魔法防御力もものすごく高いんだ。というか、体力の半分も削られなかったな。おびえて損した。
「廻さん、あなたのポイントください! 私の勝ちでいいでしょう!」
「しかっったないわねぇ!! やるわよ!」
ポイントを譲渡された。
私たちはそのまま、地面に体をぶつける。何とか勝利。
玉藻イナリ Lv.100
HP:3100/3100
MP:22440/22440
攻撃力:1820
防御力:2300
魔法攻撃力:3100
魔法防御力:2900
所持スキル
固有スキル
狐業火
天翔神通力
天狐の呪い
通常スキル
星の守り
流星群
火属性魔法Lv10
水属性魔法Lv10
風属性魔法Lv10
地属性魔法Lv2
雷属性魔法Lv3
光属性魔法Lv7
闇属性魔法Lv1
特別氷魔法 氷柱マシンガン
特別水魔法 大津波
チョコレート射出
天眼
特別スキル
超反転




