ママ、説明してくれ!
コンビニから帰宅し、魔法のカードを読み込ませる。
残高が追加され、私はゲームの世界に再びログインしたのだった。
「たしかに次の簡易メンテナンスの時に追加されるって言ってんな」
簡易メンテナンス。
毎週水曜日の午前0時から4時の間に行われている簡易的なメンテナンスのことだ。メンテナンスのときは一部機能の制限がかけられる。
今の日付は日曜日を指している。あと三日か。
「それまで目いっぱい楽しまないとねぇ」
「疲れたから寝るんじゃなかったのか?」
「いや、そのつもりだったんだけど寝付けなくて。このままオールと決め込む」
「いいねぇ!」
私はこの北海道で何しようかと悩んでいるとメッセージが届いた。
現在の時刻は深夜1時。良い子は眠る時間なんだけれど、誰からだろう。私はメッセージを出した人を見るとママだった。
ママは早く最初の惑星に戻って手伝ってほしいことがあるんだという。
「悪い、ママから呼び出し受けたからちょっと最初の惑星に戻るわ」
「ん、わかった」
「ことが終わったらまた北海道に来る」
私はそのままワープ装置でワープし、最初の惑星に戻ってきた。
そして、ママが指定してきた場所に向かう。が、なんだか様子がおかしかった。というのも、なにやらバリアのようなものが貼られている。
決闘機能に使うようなものだ。決闘機能のバトルロワイアル機能。決闘機能を使って戦えば、たとえキルしてもカルマ値がたまらない。PKした扱いにならない。
まぁ、決闘には相手の合意も必要だけど……。
「場所で言うならこの中に入っていくよな……」
とりあえず入ることにした。
中はとてつもない惨状。一つの町が崩壊したかのような瓦礫の山。なにこれ。私は呆気に取られていると、突然瓦礫の中から一人の女性が飛び出してきた。
「お、あんたも企画の参加者か?」
「企画ぅ?」
「悪いけど、こんなところで負けるつもりはない!」
そういうと、女は弓矢を放ってきた。
何が何だかわからないまま、私は魔法で矢を叩き落す。企画って何のことだよ。私何も知らされてないんですけど。
なんで戦うことになってんだ。ってか、ママはどこだよ。ドッキリ企画かな。
まぁ……。
「ママと合流するまでの暇つぶしにはちょうどいいなぁ! もっと本気で来いよ!」
とりあえず、暇つぶしとして戦うことに決めた。
女は私と同じで遠距離を得意としている。遠距離攻撃を主軸として戦う相手は近接戦に持ち込むのがベター。近接の心得がないやつはそれで終わる。
でもなぁ。それだとつまんない。
定石をつくのが最善ではあるが、誰もかれもが最善の手段をとるわけがない。
「”エクスプロージョン”」
私は爆発魔法を女めがけて放つ。
女はその気配を察知したのか、小さな火の玉に弓矢を当て、爆発を巻き起こした。着弾したら大爆発だから対処法としてはこういうこと。
「当たってたらえげつねー威力だな……」
「氷柱マシンガン」
私は特別氷魔法を放つ。
何発もの氷柱が女を襲った。
「なんだこの連射!? ひっどい!?」
「その代わり威力は控えめ。まぁ、弾幕ゲーの始まりだよ」
私のスキルは強い。
スキルをうまく行使していけば負けることはまずない。アルカードのような極端にプレイヤースキルが高い相手はうまくいなすんだけどな。
「ならばこっちも嫌なことさせてもらっちゃおっかなぁーーーーっ!」
「あん?」
女は弓を構える。
矢が光っており、その矢は私めがけて放たれた。私は矢を躱すが、矢の軌道がぐるっと変わり、矢が旋回してこちらを狙っている。
追尾……? 追尾機能のある矢か。こりゃまた厄介。
ならば魔法で叩き落す……と考え、魔法を放とうとしたとき、女の口元がにやりと笑ったのが見えた。
私は魔法を放つのをやめた。いやな予感がする。
「いきなりなんなんだよこれ……。何やらされてんだ私! ママ、早いところ説明してほしいんですけど!」
私はとりあえず対処法が見つかるまで走って逃げまわることにした。




