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トレジャーハンター銀狼 ②

 銀狼と戦って何分経過しただろうか。

 乙姫はどこまで逃げられたのかわからん。が、とりあえずそんなことは今はどうでもいい。私は勝ちたい。負けるのは嫌だ。


「チッ、早えところ追わなきゃ見失うってのによ……。天狐は一筋縄じゃいかねえなァ」


 銀狼は大剣を振るう。

 私はそれを躱すが、銀狼が放った斬撃は、背後にあったビルを斬り倒していた。私の上にビルが落ちてくる。

 私は魔法でビルを破壊し、瓦礫の中から這い出る。


「被害も何も考えねえ奴……」

「いちいち被害なんて知るかよ」


 私は氷柱マシンガンを発動する。

 たくさんの氷柱が銀狼めがけて襲い掛かった。銀郎は大剣で防いでいたが。


「ちっ、このままガードだけしててもじり貧か。少し痛えが我慢するしかねえなァ!」


 と、ガードをやめて突撃してきた。

 私は狐業火を放つ。複数の燃え盛る火の玉が銀狼を襲う。銀狼は大剣でガードしていたが、そのガードをなぜか貫通した。

 えっ?


「ちっ、これは天狐の能力か……。魔法じゃねえ」

「魔法だとなんかあるのかよ」

「ああ。あるぜ?」


 だよな。

 考えてみればそうだ。こんな近接一辺倒の武器をもって魔法や遠距離攻撃に対してなにも手出しできないってわけではないだろう。

 何か相手するための秘策のようなものがある。多分あの剣だな。

 あの剣に当たっている魔法、氷柱がさっきは当たって砕ける、というよりかは当たってなくなるという消え方をしていた。


「さっきの爆発魔法もその剣で防がれたのか……」


 だからほぼ無傷だったんだな。

 あの剣はきっと魔法の無効化能力を持つ。あの剣に防御されないように魔法を放つか、あるいは魔法ではない狐業火で戦うか。


「狐業火……」

「チッ、それは防げねえから困るってのによ!」


 私は狐業火を放つ。

 火が銀狼を襲う。銀狼は大剣を振り、風で火を消そうとしていたが、狐業火はそれぐらいじゃ消えることはなかった。

 業火が、銀狼の身を焦がす。服に引火し、そのまま火だるまとなった。


「チッ……。俺の負けだよ」


 と、銀狼が降参の意を示した。

 私は狐業火をとくと、少し肌が焼けこげた銀狼が立っていた。死んではいないようだ。あぶねぇ。これ殺してたら人殺しにカウントされてたんじゃね? カルマ値がたまってたりするんだろうか。


「なぜおまえ、最初に使わなかった」

「いや、効くと思ってなかったし使うの忘れてた」

「そうか……」

「もう乙姫は狙わないでね。敗者は勝者の言うことを聞くこと」

「チッ……。わあったよ」


 よし、これでとりあえずは解決か。

 私は三人の後を追うことにした。銀狼は大剣を手にしたまま、その場にぽつんと立ち尽くす。狐業火が弱点だったとは。

 アレを防ぐ術がなく、引火したら解く術がない。狐業火って案外強いんだな……。あれは魔法でもないから防げないのか。


 アルカードにメッセージを送り、今どこと尋ねる。

 すると、今は札幌から南に行った苫小牧らしい。だいぶ進んだな。苫小牧まで70kmあるんだぞ。そこまで走っていったのか?


 しょうがない。ここから苫小牧まで全速力で向かうか。

 私が走っていたら。


「おい」

「銀狼?」

「俺も一枚かませろ。乙姫を火星人から守りゃいいんだろ」

「ついてくるの?」

「ああ。俺が乙姫を捕らえに来たのは乙姫に興味があるからだ。あいつらから金をもらうっつーのは無理になったが……。関わるだけならそれこそ違う形もあるだろ」

「裏切るなよ」

「俺は筋は通すぜ。裏切らねえよ」


 ならいいんだけど。

 とりあえず銀狼が仲間に加わった……ってことでいいのかな。











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