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トレジャーハンター銀狼 ①

 北の大地北海道へやってきた。

 石狩湾に船を止め、石狩に降りて札幌に入る。札幌は北海道では首都のような立ち位置の市。政令指定都市であるため、北海道で人口も多い。

 乙姫はテレビ塔の前にあった屋台の焼きとうもろこしを買って食べていた。


「美味しいーーーー! 魚だけじゃどうも飽きちゃうのよねぇ。甘くておいしいわ」

「スコティッシュ、そっちに怪しい影は?」

「ありません~。こちらを物珍しそうに見てる人はいますけどぉ……」

「そりゃ頭にキツネ耳を生やし、キツネの尻尾が4本も生えている人間が現実にいたらどう思うよ」

「二度見するっすねぇ。あ、こっちも異常なしっすよ」


 私たちは乙姫の護衛に全力をかけていた。

 怪しいやつがいないか見張っているんだけど、そういうのは見当たらない。火星人は乙姫を狙っているっていう話だけど……。さすがにこんな人ごみのなかには紛れ込めないのか。

 まぁ、あんな目立つ見た目だしな。


「おいおい、そんなよそ見してちゃ守る対象ががら空きだぜ」


 と、背後から声が聞こえた瞬間、私めがけて何かが振り下ろされた。

 私は反射神経でぎりぎりで躱す。大剣を振り下ろしたのは大男。身長は2mはあるであろう男性。大剣を地面から引っこ抜き、肩に担ぐ。


「こんな日本で危険な目に会うと思ってなかったか?」

「……誰?」

「ああ、自己紹介してなかったな。俺は銀河を股にかけるトレジャーハンター、銀狼ぎんろうだ。自己紹介終わり。御託はこれで十分だろ」


 そういうと、銀狼は大剣を振り回す。

 早い。人間の力じゃこんなナイフのように扱えない。ものすごいパワーだ……。


「じゃない! アルカード、乙姫を連れて逃げろ!」

「わかった。そのほうがいい。乙姫、行くぞ!」

「わ、わかったわ!」

「ちっ、せっかくの対象が逃げるか。ま、さっさと殺して追えばいいだけの話か。お前とアルカードっていう男は強いからな。先に排除しておいたほうが楽だ」

「強いっていう認識でいてくれてありがとう」」


 私は火属性魔法を放った。

 大爆発魔法のエクスプロージョン。大きな爆発が銀狼を包み込む。が、銀郎はこほっこほっとせき込むだけで大したダメージに放っていなさそうに見える。


「すげえ威力だ。もろに食らったらひとたまりもねえ」

「……躱したってことか」

「そういうことだ。てめえは魔法使い。一番めんどくせえ相手だなァ!」


 そういって、大剣を振り下ろす。

 私は躱そうとしたが、嫌な予感がしたので、のけぞって足で蹴り飛ばした。


「妖怪天狐……。やっぱり一筋縄じゃいかねえなぁ……」

「お前ほんとに人間か?」

「人間だとも。ほかの奴よりだいぶ強え人間だがなぁ!」


 大剣を振りかぶる銀狼。

 私はまた再び躱してカウンターを入れようとしたら、腹部に思いっきり銀狼の拳がめり込んだ。アッパーカットで、思い切り空に打ち上げられる。

 私は空を飛ぶことができず、自由落下していくだけだった。

 空中で身動きできない私を待ち構える銀狼。


 だが、体をひねるなどして逃れることはできそうだ。

 

 私はそうしようと考えたが、私が奴なら……隙ができる着地を狙う。

 だから着地はやめだ。思いっきり吹っ飛ぶしかねぇな。私はまた再び、今度は地上めがけてエクスプロージョンを放った。

 爆風が私を押し上げる。

 

「ぐうぅ……」

「あー死ぬかと思ったぁ」


 近接戦はあっちに分があるな。

 私も結構近接戦には自信があったほうなんだけどあっちのほうがレベルが上だ。魔法を放ってヒット&アウェイに切り替えるしかない。

 ただ、私に気を逸らさせていないと、本来の目的である乙姫の殺害のほうへ向かうだろう。

 ヒット&アウェイもどこまでできるか、ウザがられてあっちまで一気に行かれたらアルカードが対応せざるを得なくなる。

 世界一のゲーマーに頼らなければ勝てない……と思われるのもすげえいやだ。これは私の気持ちの問題。負けるのは私としては嫌だ。


「ちょっと配信とか気にしてる余裕ないかな。本気で勝つために集中しよう」

「ちょっと集中したごときで俺に勝てるかよ。そんな消耗して」


 相手の動きをよく見て……。

 隙を的確につく。私は絶対勝つ。











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