タイガ
占い師曰く、私は半分神様らしい。
その占いの館でも一応動画を回していて、私は編集してとりあえず投稿しておいた。私はゲームにログインする。
アルカードはまだログインしていないようだった。私は再び降りて、とりあえず京都を観光することにした。
京都の街並み。
うーん、京都っていったことがないからこんな光景なのかはわからない。東京と北海道以外いったことがないんだよな……。
でも、古風な町並みできれー……。
私は観光気分で歩いていると。
「よぅ、玉藻イナリ」
「おん?」
声をかけられ、振り向いた瞬間に殴りかかられたのだった。
私は思わず躱し、距離を取る。
「私のファンではなさそうだな……」
「ファンですよ、あなたの強さの」
「そう……。でもいきなり殴りかかるのはどうかと思うけどね」
「このほうがやりたいことが伝わるでしょう?」
上半身裸の男が構えをとっている。
武器はない。素手格闘術で戦うタイプのプレイヤーのようだった。
「名前は?」
「タイガ」
「よし、じゃ、やるか」
私がそういうと、タイガは一気に距離を詰めてくる。
私が魔法使いだと知っている。だからこそ、近接戦が苦手だと踏んでいるんだろう。たしかにステータスは魔法攻撃力のほうが高い。
攻撃をかわし、私は思い切り蹴り飛ばした。
「うぐっ……」
「近接戦、すっげえ久しぶり」
私がメイスを使っていたことは視聴者なら知っているはずだ。
ファン……ではなさそうだな。単に私の噂を聞いて戦いに来ただけのプレイヤーだろう。
「こんの……」
「ふんっ!」
私はエルボーで顔面を攻撃。
思い切りのけぞった頭に回し蹴りを食らわせた。蹴り飛ばされたタイガは塀を突き破る。家の人が驚いて出てきていた。
そういやここ街中ですもんね。まぁいいや。
私は吹き飛んだタイガに追撃を食らわせる。
火属性魔法、エクスプロージョンを放つ。大きな爆発が一軒家を包み込んだ。
「やりすぎたかな」
「やりすぎだろ……。ここは街中だ、ぞ……」
タイガが瓦礫をかき分けて出てきたのだった。
が、すでに瀕死。エクスプロージョンを受けてまだ生きているとはすごいな。だが、これ以上やるとPKになるし、やめにしたいが……。タイガがそれを許してくれるだろうか。
タイガはまだやる気満々にも思える。どちらかが死ぬまで終わんない、か。
「何が目的? 私と戦いたいだけ?」
「そうだ。俺は、強い奴と戦いたいだけ。それだけだ……」
「なーんかうそくせーけどまぁいいや」
十中八九嘘だろう。
強い奴と戦いたいという奴が不意打ちなんて卑怯なマネするか? いや、するだろうけど……。私の勘ではなんかそうじゃない気がする。
タイガというのは間違いないだろう。名前には嘘偽りはない気がする。
だけど、なんか私の予感がざわついてる。
「……お前、もしかして私のアンチか」
「…………」
「だんまり。正解だな。結構な数アンチがいるからなぁ……。Vを毛嫌いしてるやつとかいるし。だからこそ殺したいほど私が嫌いなんだね」
「ちっ……」
私にはファンもいるが、アンチも存在する。
私のアンチって結構ねちっこいやつが多いんだよなぁ。というか、私のアンチで固めたギルドが存在すると聞いたことはあるけど、まじであるんだろうな。
多分、タイガはそのギルドの一員だ。
「アンチ活動するのはいいけど、陰でこっそりとやってなよ……」
「うるせえ。女のテメエが男の俺より強いのが気に食わねえ!」
「そりゃ才能の差だろうけど……。っと、これをいったら怒るかな。礼儀をわきまえないアンチには、私も礼儀知らずでいくよ。私はまだ子供だから笑顔で対応とかは無理なんだ。ごめんね」
私はタイガにとどめを刺したのだった。




