現代日本にファンタジーを持ち込むな
私、宇宙へ進出!
私たちがまず向かった先は地球そっくりの惑星。だって地球があるんだとしたらゲームの日本って気になるじゃん?
どの年代なのかな? 江戸? 明治? 平成?
「さて、あれが地球だね」
「地球は……青かった」
「ゲームの世界といえど、地球にはもちろん人間がいて、生物もいる。魔物がいるかどうかは知らないけどね。着陸しよう」
私たちは地球のような惑星に着陸することになった。
とりあえず日本の形を模した島に着陸する。海の上につけ、私は大地に降り立った。
「ここは場所的には七里ヶ浜かな?」
「だね。神奈川県。地理的には江ノ島も近いはずだ」
私はとりあえず道行く男子高校生に尋ねてみることにした。
「やぁやぁ男子高校生くん。ここは神奈川県であってる?」
「え、いや、狐の耳……? 尻尾……?」
「あ、こっちでは馴染みない感じ? リアルにもほどがあるだろ。まぁそれはいいとして、この国とかで魔物……とかそういうの出てるかい?」
「魔物……! 東京都のほうで見知らぬ生物が現れて今自衛隊の皆さんが戦っているとか……。東京近郊の人はみんな避難してるんです」
「どうやらいるようだね」
「よし、倒しに向かいましょ」
私は近くにあったバイクにまたがった。幸運にも鍵がついている。
「盗んだバイクで走りだす! 悪いな持ち主さん! 東京まで借りるぜ!」
『草』
『うっわナチュラルに盗んだwww』
『しかもめっちゃいいバイクwww』
「乗れアルカード!」
「君運転できるのか!?」
「したことないけどたぶんできる!」
「はは、いいねぇ!」
私はバイクで2ケツし、騒ぎになっている東京へ向かうことになった。
東京から避難するためか、私たちが向かう東京方面に行く車はものすごく少ないし、自衛隊の戦車などが多いが、反対車線には今にも逃げようとしている人たちの車でいっぱいだった。
「こうも空いてんなら好都合! ぶっ飛ばすぜベイベー!」
アクセルを吹かす。
東京に近づいていくと、魔物のようなものが見えていた。銃を構えている自衛隊の人に襲い掛かる二足歩行のワニのような魔物。
私たちはバイクから飛び降りて、魔法を放つ。
「アルカード、勝負しない? どっちが多く敵を倒せるか」
「乗った。面白そうだ」
私は火属性の範囲魔法を放ち、固まっている魔物を焼き焦がす。
アルカードのほうをチラ見してみると、華麗な動きで魔物を斬り倒していた。私たちはこの場にいる魔物をせん滅する。
「私は59体」
「俺は60だ。俺の勝ちだな」
「あと1体の差かぁ」
東京の町は結構えげつない被害が出たようだった。
コンクリートの地面が陥没したり、私の魔法で焦げて居たりなど被害状況としてはこれ以上ないくらいひどい。
自衛隊の皆さんもこちらを見ている。
「……どうもー」
「君の容姿は現代日本ではありえないしさらに魔法を使うと来た。フッ、注目されるのも無理ないね」
「だよね! んじゃ、とりあえず退散ッ! 面倒ごとは嫌いなのよーん!」
これ以上ここにいると何か聞かれそうだ。
現代にファンタジーを持ち込んだらそら珍しがるわ。しかもこの世界、VRMMOというものがなさそうな概念だしな。




