変態女子高生
ラブホみたいな部屋を抜けた先は合流地点となっていた。どうやら私が最初で、次に不知火さん、リキエルさん、ママが最後にやってきた。
リキエルさんとママは名残惜しそうに後ろを見ている。
「……なにがあったんだい?」
「ママに、成り損ねました……」
「猫が……猫が……」
「ママに猫?」
「……わからないが、先へ進もうか。ハロウィンイベントの時間は少ないのだから」
私たちは先へと進んでいく。
先へと進んでいくと、開けた部屋についた。開けた部屋の中には一冊の書物があった。私はその書物を読み上げる。
「ここは呪いの遺跡。自分の欲望が顕現する呪いの遺跡。人間の欲は呪いであり、呪いこそ人が生きるすべてである……と書いてますね」」
「なるほど。つまり私たちが戦っていたのは自分の欲望というわけだ」
「猫ちゃん……」
「なるほどぉ」
そういうことなんだ。
ってかそれだと……。
「私ラブホに行きたいみたいじゃん!」
「ラブホ?」
「らぶ、ほ?」
「ラブホ?」
「わ、私が向かった先にあったのはラブホテルみたいな内装で……」
私がそういうと、三人が黙ってしまった。
「私がとんでもない変態女だってバレちゃったじゃん!」
『草』
『草』
『これもう神だろ』
『wwwwwww』
『神回確定演出』
寄りにもよってラブホってなんなんだよ!
つまりあのイケメンインキュバスも私が望んだってこと!? 私の欲望すごいな!? たしかにラブホの中身とかめちゃくちゃ気になってるけども!
こんな形でばれるん!?
「うあーーーーーーーーー、さすがにはずいんですけど!」
「なんだ……。その、どんまい」
「そういう嗜好が……。まぁ、人の欲望は千差万別さ」
「私はまだ男の子でよかったです……」
なんなんだよぉーーーーー!
なんなんだよこの遺跡! たしかに呪いっていうか……。自分の思考を全世界にばらまいたみたいなもんじゃねえか!
「もう出ましょうこんな遺跡! もう恥ずかしくて死にそうです!」
「君がここまで感情をあらわにするのは初めてじゃないかね?」
「珍しいですねぇ」
「羞恥心という感情あったんだな……」
「そりゃありますよ! 普段から容赦なくママのおっぱいとか触ってますけどね! そういうのはまぁ、好きでやってますがそういうキャラというのもありまして……。実はこんなド変態女子高生だってばらしてないんですよ! おっぱいを触るとか女子高生では当たり前なんです!」
『マジ?』
『俺ちょっと……』
『おまわりさんこいつです』
『俺女子高生になりてえよ……』
遊びでだったり、胸の大きさを確かめるためだったりと同性で仲良かったら気軽に触る。だから普通なのだ。
「それなのにラブホとかぁ! いや、内装が気になるだけなんですけど! そういうことをしたいっていう願望はまだないですよ!? さすがに! 相手もいませんし、自分はレズビアンよりの女子高生ですし!」
「……さらっととんでもないこと暴露したな」
「レズ……」
『草』
『もう喋るな。どんどん墓穴掘るぞ』
『普段の冷静さからは信じられないくらい慌てている』
『笑い止まんねえwww』
「なんで私の欲望を暴露されなきゃならんのだ! もう帰りましょう! ほんっとに! 私は終わったらログアウトして……」
『¥50,000 もっと聞かせて』
『¥50,000 逃がさないぜ』
『¥50,000 赤スパ祭りじゃああああああ! 金欲しいなら配信は切っちゃだめだぜ!』
と、赤スパがものすごく飛んできていた。
待ってよ、ちょい待って。
「ちょっと待たんかい! なんでそんな赤スパ投げるん!? もっと金大事にしよ!? 大事な人につかお!?」
『¥50,000 そんなこと言わずに』
『¥50,000 だから大事な人に使ってんだろ』
と、めっちゃくちゃ私の配信に赤スパが飛んできていた。
「引くに引けなくなったねぇ。さぁ、この調子で暴露を頼むよ」
「視聴者が望んでるんだ。顔バレしてるんだしもう恐れることはねえだろ?」
「ふふ。イナリちゃん。覚悟を決めるときですよぉ」
「こんな覚悟しとうない!」
コメント欄の大半が赤スパで埋まってるのどうにかしてほしいんですけど。なんで全員上限の5万なげてるんですか?
投げれない人も1万投げてるし、なんでそんな金をどぶに捨ててるんですか? というか、ドルもあるし海外の人も面白がってませんか?
くそ、望まれてる……。
「だー! わかったよ! 望まれてんなら言ってやる! 私の性癖暴露大会開始じゃボケェ!」
尊厳破壊されましょう。
もういいんです。




