◇ 白の扉
私は昔から、オカルトやファンタジーといった類のものが好きだった。
高校生時代からそういうのにはまり、まさに狂気的な愛を向けるのがファンタジー。
だが、私はそういうのに時間が欲しく、働いている時間がもったいないと思っていた。そんな時、ある企業がVの中身を募集しているということで応募してみたらなんとVの体をもらえた。
そうして出来上がったのが、私である不知火ぱっち。
白衣を着て怪しい液体を持っているマッドサイエンティスト。オカルトやファンタジーが好きな私に科学のキャラをあてがうとはなかなか皮肉だな。
「さて、藪蛇をつついたら何が出るか……」
私は白と書かれた扉を開けてみる。
ギィィ……と古びた木のドアが開かれる。私は中に入り進んでいくと、周りの景色が一変した。白いお札が大量に貼られている。
経文のようなものが書かれたお札が部屋中に貼られていて、部屋の真ん中には何か化け物がいる。
”イケニエが来た”
と、化け物は口走った。
「イケニエ? もしかしなくても私のことだろうねぇ。どうやら君を倒さないと私は先へと進めないようだ。私は戦闘職ではないのだが……。仕方あるまい。ここにきている以上、戦闘は免れないね」
私はイベントリから爆弾を取り出した。
私の職業は錬金術師であり、薬を作る職業だ。ポーションなどの自身に益がある効果を持つ薬、相手を毒状態にする毒薬など様々な薬。
爆弾も錬金術師でしか作れない代物。
爆弾にもいろいろ種類があり、爆発し破片が炸裂する炸裂爆弾、爆発し辺り一面を火の海にする火柱爆弾などなど。
私の戦闘スタイルは自作爆弾によるアイテム攻撃だ。
「イケニエ!」
と、化け物は鎖鎌を振り回す。
私の腕に鎖が巻き付いた。
「うおっ!」
私は化け物に引っ張られ、壁にたたきつけられる。
リキエル君ならば耐えていたが私は無理だ。思い切りたたきつけられてダメージを負った。私はポーションを飲み、回復する。
そして、まずは爆弾を一つ投げてみることにした。
「炸裂爆弾、いけ」
炸裂爆弾を投げ、爆弾が爆発する。
金属の破片が散らばり、化け物に刺さった。痛そうにしている化け物。物理ダメージも効果があるようだ。私は魔法を覚えていないから、魔法攻撃しか効かない相手だったら詰んでいたな。
「戦闘はあまり得意ではないし、長期戦は避けたい。だからもっと爆弾をやらんとな! 芸術は爆発なのだよリスナーくん!」
私は爆弾をぽいぽい投げる。
部屋全体を爆弾の爆風が覆った。煙が開けるころには化け物が焼き焦げている。そして、無念と言い残して消えていった。
すると、先へと続く扉が開かれる。
さて、攻略は結構速かったと思うが……。私はクリアした順で言えば何番目だろうか。ママより早い……というのが一番の理想だが。
ママがうちの中で一番火力が足りないからな……。逆に一番火力があるのが最年少の玉藻イナリ君。彼女だけ唯一の個人勢だ。
「クソ、本来はハロウィンイベントをやるのが好ましいが……。ハロウィンイベント最下位でアローライフ所属Vポイント合戦の罰ゲームは避けられんな」
どんな罰ゲームが運営から用意されるのだろうか。
「せめて面白くできる内容の罰ゲームであるといいがな」
私はそうぼやきながら先へと進むのだった。




