愛という名の呪いを君に
カメラを回していてこんな気まずいことはない。
もう部屋の中がラブホだった。ピンク色でものすごくエッチな雰囲気。もしかしてここにはショタのようなものが現れて「お姉さん、なんだか白いものが……」とか不安そうにお姉ちゃんに聞いてくるのでは?
「オネショタ……」
『なんで今オネショタ?』
『なんかこいつ変な妄想してるぞ』
オネショタはいいぞ。
私はショタが来るのを身構えていたのだが。だがしかし、やってきたのは違った。ジャニーズのようなイケメンが奥から歩いてきたのが分かった。
…………。
「ショタじゃねえのかよ!」
「えっ」
「なんだこの遺跡は! なんで遺跡の中にラブホみたいな空間があんだぁ!」
「ふふ、知りたい?」
「あぁん?」
ショタでもきれいなお姉さんでもないことにがっかりだ。イケメンなんて私はいらないんだよ。欲しいのは可愛いショタかエッチなお姉さんだ。
「ここは愛の間。たくさん愛してあげる♡」
「愛?」
「そう。あなたを狂ったように愛してあげる。あなたをずっと永遠に愛してあげる。あなたを生涯養ってあげる。でも、その代わり俺以外の男は見ちゃダメ。俺以外の男と話しちゃダメだよ」
「……重いな」
「さぁ、愛を上げる! 私の無償の愛を受け取って!」
愛、か。
「なるほど。ここは呪いの遺跡ってことか」
「呪い? 何言ってるのかしら。呪いではなく、愛の遺跡よ」
「愛だなんて呪いと変わんないでしょ」
「どうして?」
愛は呪いである。
それは私が身をもって知っていた。
「私は誰からも愛されてるからね。私に救いを求めてるような重っくるしい愛を向けてくるやつもいれば、手段を選ばずただただ隣に並びたい愛を向けてくるやつ、純粋に心から慕ってくれるあまり、善悪の区別がついていないやつ。これら全員に愛を向けられてるんだよ」
自殺しようとしていた神倉くん。チートを使ってでも並ぼうとしてきた桜さん。イベントの際良かれと思ってやったが駄目だったマルーン。
配信者なんて愛を向けられてなんぼなんだよな。
「だからいらなーい! どうせ私たちの敵なんでしょ? やるんだったらとっととやろうぜ」
「わからず屋ね! わからずやは調教するしかないじゃない!」
「おっと。激しく頼むぜ? どぎついやつでこいよ」
目の前の男の背中に翼が生える。
「インキュバスの名において、使い魔たち! 襲い掛かりなさい!」
「インキュバス……」
ああ、もしかしてここ性別によって相手が変わる系の場所。
私が女の子だからインキュバスが来たんだろうな。オカマ口調の。
使い魔が私に襲い掛かってくる。
私は狐業火で使い魔を一掃したのだった。インキュバスもまぎれて襲い掛かろうとしていたのか、インキュバスにも被弾した。
可哀想。
「あ、扉が現れた……。一撃ノックアウト……」
なんかごめんね。めっちゃ弱いプレイでした。
「あー、欲求不満。もっと激しいプレイしたかったぜ」
『変態だ……』
『欲求不満草』
さて、先を急ごうか。




