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ハロウィーン ①

 私が配信をしていると、運営からメッセージが届いていることに気づいた。

 私はメッセージを見てみると、見出しは第二回イベント開催のお知らせということだった。


「第二回イベントはハロウィーン……?」


 ハロウィン開催……ということで、妖怪たちの町が一般開放されるほか、お菓子を要求する子供たちにお菓子を上げるなどをするとハロウィンポイントが加算されていくのだとか。

 ハロウィンポイントを集めて豪華景品をゲット! 地中海フェリー旅行にもいけるよ!的な。地中海フェリーはないが、ゲーム内での豪華賞品と交換が可能らしい。


「まぁ、前みたいなものと違って平和だぁ」

「そうですねぇ。ハロウィンですか……。そういえばもう10月ですもんねぇ」


 なにかハロウィンの特別仕様とかあるのかな。

 妖怪だったら何か恩恵があるとか。だが、ハロウィン。楽しまなくちゃ損だよな……。私はふと思いついたことを実行することにした。


「スコティッシュ! 今から言う衣装を作ってくれない?」

「あ、装備ですねぇ。わかりましたぁ!」

「助かるよん!」






 そして、時は流れて10月21日。

 ハロウィンイベントは10日間行われる。町はカボチャの飾り物とか、妖怪の仮装をしているNPC、時折ホンモノが紛れ込んでいた。


「みなさーん! トリックオアトリート! 化け狐系VTuberの~、玉藻イナリでーす!」


 私はスコティッシュに依頼していた装備を身にまとい配信を開始していた。

 装備の見た目は私の狐の尻尾が強調されるよう名感じでと頼んでいた。へそ出しファッションで、顔には赤い隈取を。今夜の私は化け狐なのだ。


「待ちに待ったハロウィン! 今回の企画は町ゆく子供にお菓子を片っ端から配ろうという企画です」

『それがイベントの内容なんだよなぁ』


 私は今回のイベントも全力で楽しむ予定。


「エッチな私がいけないこと、教えてあげなくちゃ」

『おねショタはいいぞ』

『いけないことの具体例は?』

「具体例? 例えばぁ……。夜中に二郎系ラーメンを食べたりぃ、きのこたけのこ戦争に横やりを入れたり?」

『えっちなことじゃない』

『草』


 やだなぁ。エッチなことしたらBANされるでしょ。


「お菓子はたくさんヒバナに作ってもらったから配るのみ!」

「う、うちも協力したっす……。昨日は1日中クッキーのレシピで焼いてたっす……。経験値がたくさん入ったけどもうクッキーはこりごり……」

「イベントで配るお菓子は何でもいいらしいからね。ババロアでもゼリーでもプリンでも!」

「普通それらはハロウィンで配りたくないもんすけどね!」


 今回は正攻法でハロウィンポイントを集めます。

 私は大量のクッキーを持ち王都の街中を歩くと、さっそく子供がトリックオアトリートと叫んできた。私はもちろんトリートを選ぶ。

 クッキーを人数分取り出し上げていく。子供はわーい!と言いながら走り去る。


「私もあんな無邪気な時期があったんだよな……」

「なに感慨ぶってるんだ。高校生のくせに」

「あ、リキエルさん」

「おう。配ってっか? お菓子」

「今さっき始めたところです」

「そうか。お前はハロウィンモンスターを倒してポイントを集めるほうにしなかったんだな……」

「戦うのだるくないすか」

「それいっちゃゲームではねえだろ」


 リキエルさんは笑っていた。


「リキエルさんは?」

「あたしか? あたしはあいつらとの賭けに負けてお菓子配り係だ」

「あいつら?」

「ほら、不知火とママだよ。今回は3人で組んでるんだが……。お前も組むか?」

「ナチュラルに勧誘してますけど、それって絶対アローライフでそういうイベントの競争事してませんか?」

「……ばれた?」

「だってそういう告知してましたよね。アローライフ事務所。複数人のチームに分かれてゲーム内総合ポイント数で勝負とか」

「ちっ、めざとく見てたんだな……」

「それに、最初から私を誘ってないのもおかしいですからねぇ」

「誘われる前提でいるのかお前……」

「私はいつでも受動態ですからね。誘われる前提でいつも動いてますよ?」


 私は常に誘われる側です。










 

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