ゲニウストレント戦 ①
ダンジョンをどんどん進んでいく。
数回被弾してはポーションを飲んで回復し、MPが尽きてきたらMP回復ポーションを飲んで回復しを繰り返していた。
が、このままだとじり貧になる。こっちの消費が激しい。戦いすぎている。
私の今現在のレベルは70。
45くらいから一気に70まで来た。レベル差があるから経験値が多いんだって……。で、レベル70ともなると攻撃は5発受けることができて、敵を3発で倒せるようにはなっていた。
ここまでレベル上げしたらもう怖いものはしばらくないだろう。このダンジョンはレベル上げには最適だな……。
「一本道……。ボスだな」
私はとうとうボスの部屋までやってきた。
潜った階層は99階。アホだろ。スコティッシュの作ったクローゼットダンジョンはものすごく深い。
99階まであるとは思わなかったし、死んだらまたやり直しだ。やりたくねぇ~……。
回復ポーションもあとわずか、MP回復ポーションに関してはあと2個か」
結構持ってきたはずなんですけどね。
私は一本道を歩き、大きく開けた場所についた。真ん中にはボスであろう魔物がいた。魔物の見た目は大きな木のような見た目をしている。
大樹に悪魔のような顔をつけたような感じの見た目だ。
大樹の魔物は私を見て体をしならせる。そして、木の根っこが私に襲い掛かってきたのだった。
「名前はゲニウストレント……。レベルは……120か。やっぱボスだよな」
私は木の根っこを躱す。
「木なら火が弱点だろ! 火属性魔法”ヴォルガノン”!」
マグマのような火炎がゲニウストレントに襲い掛かった。
当たってダメージは受けたようだが、そこまで大きくダメージを受けた様子ではない。レベル差のせいかそれとも……。
「火が弱点じゃないのかな」
木は火に弱いだろうということで火属性の魔法を放ったんだけど、あまりにも効いてなさすぎる。そもそもの魔法攻撃の火力が高いから私は……。割かし効いているってだけで、弱点ではなさそうな反応だ。
モンスターは自分の弱点属性の攻撃を嫌がるゲームシステムなのだから……。
「とりあえず適当に属性魔法放っていくしかないか」
私は風、光、闇、雷など全部の属性の弱い魔法を放った。
弱点属性を判明させるためだけならば、弱い魔法でも十分。MP消費を抑えて弱点属性を見極める必要がある。
で、弱点が分かった。
「水か」
意外なことに弱点は水属性だった。
水属性だけ明らかに難色を示したのだ。私は水属性魔法で攻撃していくことにした。
「……っ!」
私の目の前には大量の木の根っこがやってくる。
私は火属性の魔法を放って木の根っこを焼き尽くす。木の根っこに関しては火も通るらしく、こういう範囲攻撃はこれで守るしかない。
ここで死にたくはないから堅実に行くぞ。
「久しぶりに集中ガチモード、いくか」
私は目の前の敵だけを見据える。
落ち着いて、考えながら相手をする。レベル差が50もあるが、ダメージは通る。慎重にやっていけば倒せないこともないだろう。




