表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/173

ジャイアントオーク戦 ②

 ジャイアントオークの顔は赤く染まり、鼻息も荒くなっていた。

 持っている石槍で連続突きをしてきた。私は躱す余裕はないので、メイスでなんとか流す。ママも双剣で受け流し、反撃に入っていた。


「イナリちゃん! あと体力どんくらいかわかる!?」

「見た感じあと一撃!」

「オッケー! かっこよく決めましょう!」


 私はメイスを持ち、地面を思い切り蹴って勢いをつける。

 突いてくる石槍をメイスで強引にはじくとジャイアントオークは槍を話して手を抑える。痛かったんだな。振動がモロに伝わってきて思わず武器を手放してしまったようだ。

 

「今がチャンス! 叩き込むっすよ!」

「わかったわ!」


 私はメイスを思い切り振る。

 ジャイアントオークの脛に当たり、ママが双剣で倒れたジャイアントオークの目玉を串刺しにしていた。

 ジャイアントオークはブモォオオオオオ!と断末魔を上げて、そのまま消えていく。ジャイアントオークの石槍、ジャイアントオークの服などのドロップ品が落ちたのだった。


「ボス撃破ーーーーー!」

「やったわね!」


 ゲームで初めてボスクリア。

 最初にクリアしたのが多分私たちだろう。結構強いって聞いていたが、そうでもなかったな。結局ダメージは受けたが、一度も死にはしなかった。

 コメントもやったというコメントとスパチャであふれかえっていた。みんなよくそんなポンポンと赤スパ投げるよな。どっからその金沸いてんだ。私にも教えろ。


「これでウラヤマ山道に行けるようになったっすね! ウラヤマ山道を抜けたら多分次の街!」

「さっそく向かってみる?」

「いきやしょー! 次の街には何があるかな?」


 ママに回復魔法をかけてもらい、回復してウラヤマ山道を攻略することになった。

 ウラヤマ山道は山道というだけあり、木々が生い茂っている。道なりにまっすぐ進むと看板があり、左へ行くと石の町ストンズに、右に行くと茂みの洞窟という場所に行けるようだった。

 今の体力で挑むのはいいが、ママは回復魔法を使ったから魔力が心もとない。回復のことも考えると今は挑まずに次の街にいくのがいいだろう。


「ママ、まずストンズいきやす?」

「そうね。茂みの洞窟はまた後にしましょう。もう夜も遅いし、ストンズについたら配信終わろうかしら」

「そうっすね。そのほうがいいっす。私も眠くて……」


 私たちは石の町ストンズに歩いて向かう。

 ストンズについた。ストンズは、石の町というだけあり石でできた建物が多かった。というか、大体が岩を削って作りだしたような感じの建物。

 石でできた町だから石の町なのだろうか。


「夜だから流石に村の人も歩いてないわね」

「そりゃ夜っすからねぇ。明日、私はこの町を探索しやす! それに、私のギルドに入ってるスコティッシュさんにも素材を上げたいですからねぇ」

「ギルド作ってるの?」

「ええ。まだ団員二名ですけど」

「そうなんですねぇ! 私もこの際だからギルド作ろうかしら……。名前は……母なる海でどうでしょう」

「ママにぴったりっす!」

「そう? じゃあ、これで作るとしましょうか。リスナーさんもマナー良くしてくれるならぜひ加入をお願いします」


 ママはぺこりとカメラに向かって頭を下げる。

 そして、今日はこの辺で配信を終わりますと告げて、カメラを切っていた。


「さて……」

「まだやりやす?」

「そうねぇ。やってもいいけど、さすがに回復したいわ。ジャイアントオークで割と精神的に疲れたもの……」

「ボスってだけで結構疲れますもんね。じゃ、今日はログアウトしましょ。宿屋はあれだと思うんで」


 私は宿屋であろう看板を指さした。

 石の町の宿屋に向かい、今日はログアウトすることになったのだった。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ