うむ、乙女ゲームか。
婚約破棄後の第三者の目線で書きました。八人目です。
前回の削った設定を書きました。かなり話しが、ズレましたが、温かい目で読んで下さい。
わし、陛下と呼ばれておる。
本当は、わしとか言わんが、威厳保つために言わされとる。
当時、40代サラリーマン。 おっさんではないぞ!
言っておくが、ブラックな会社では無いぞ!
残業代、あったぞ。週二日の休みも、月二回あったぞ。
会社内関係を円滑にと、上司の飲み屋の誘いは断れず、共に酒を飲めば、愚痴を聞く。
部下を誘えば、飲めないと断られ。
部下に失敗の注意をすれば、泣きながらトイレに隠られ、上司には、部下の根性治せと言われておった。
上司は、理不尽な事を言っておったが、
他部署との交流でのBBQ(主催者→上司 準備→わし)
年代問わずの飲み会(主催者→上司 幹事→わし)
会社の社員旅行(主催者→上司 企画、手配→わし)
などの面倒をわしに押しつけ成功すれば、
「自分の評価より頑張った部下に賛辞を」と、
一挙両得、評価を下げないやり手では、あったの。
当時のわしは、ゲーオタであることは、秘匿された。
あの時は、オタクであることは、はばかられたのぉ。
子供の頃から、RPGが好きでのぉ。 F○やド○クエは、もちろん 攻略済みだぞ?
大人になっても辞められ無かったわい。
言っておくが彼女無し、童貞ではないぞ!
部屋でのわしは、ゲームで彼女の相手をして、やらなんだ。
テレビは、ゲームの画面。
仕方ない彼女は、雑誌を見おって。彼女の言葉を、聞き流しておった。
「この俳優イケメン! 格好いい」(彼女→様子見)
「……………。」(わし→無反応)
「このアイドル! 可愛い」(彼女→仕掛ける)
「ふーん」(わし→少し反応)
「しかも、胸デカ!」(彼女→確信犯)
「サッ!」(わし→チラ見)
その後、喧嘩したのぉ。
別れてから一人酒での、一狩りが楽しみだったのぉ。
オフ会で仲間がおったし、独身で過ごす事に、不自由など無かった。
それからは、プロゲーマーなる職業ができ、eスポーツなど、いい時代じゃった。
ネットで仲間もでき、チャットしながらゲームを楽しんだものだ。
そんなわしが、剣と魔法の世界に王子として生まれて ゲームみたいで、どれ程嬉しかったことが!
じゃが、現実は厳しいこと。 自由など無かったわい!
王子ゆえ、我が儘など言えず、婚約者は、決められるし、
一人行動は禁止。常に護衛がおる。
自室でも 他人の目があり、一人になれるのは、寝室のみ。
人の目を気にしながら、生活する辛さ、価値観の違い、ストレスを溜め込み、爆発寸前だったのぉ!
前の人生とは違う!と、頑張らねば!と。
新しい人生! 何か意味があり、ここに来たのかと!
あれは、視察での魔物討伐じゃった。
安全確保の為、少し離れ見学しておったが、
魔物退治をこの目で見て、わしなら出来るのか?と
魔物の抵抗を間近で見ながら、立ち込める嫌な匂いに、命の危険に緊張感漂う空気。ゲームでは、感じられなんだリアル。
初めて恐怖で、動けなんだっ!
恐怖を体験してからのわしは、このままでは、いかんと思い、心身ともに鍛えねば!と、思いに駆られておった。
学園で、自主的に剣と魔法の訓練に励んでおったのだ。
ある日訓練しておった時、居残り練習する者達に出合ったのだ。
わしも、その者達に加わる事で仲良くなり、
スピアーノ男爵子息、ガゼール伯爵令嬢という親友が出来た。
友人では無く、親友である。 友人ならそこら辺にいる。
何故爵位の低い者達が、と思うであろう。
共に訓練する内に、一人で頑張りすぎた心の拠り所を、探していたのかもしれん。
気が付けば語りかけ、何でも話しをする中になったのだ。
ストレスや恐怖、重圧や責任、孤独や使命感、きりが無いが、彼等に話す事で、開放された気がしての。
楽になったのは忘れはせん。愚痴、泣き言全て、聞いてくれた事が嬉しくて、今思えば、二人に依存していたのかもしれん。
のちに、ガゼール伯爵令嬢は、側室。スピアーノ男爵の子息を、わしの息子で第三王子の側近にするのだが。
王になり、世事など解らん。
前世は、中間管理職。会社に置きはめれば!と、
専門家に任せ。
わしは、指名した後、声をかけ労い、出来れば褒める。
報告、連絡、相談は必須。
情報の伝達の共有や相談の背景を明確に伝える。
現在の状態確認や試行錯誤の結果。
適切な資料作成。
視察、会合の日程調整。
これこそ、ビジネスのスキルだ!と天眼だと!チートだと!
高をくくり、ちょっとばかし鼻が伸びたが、まさかの!
事実と意見の勘違い、ミスの隠蔽、報告虚偽、
〆切間近の請求書、
他部署からの依頼無視、他部署への強制依頼、連携拒否
報・連・相できとらん!
今のわしには、息子が三人いて、嫁は、現在二人だ。
一人は亡くなっておる。
元日本人としては、長男が後継ぎなのだから、と思い込み王太子にと、動きはじめた途端、まさか上の息子二人が、継承争いで、派閥闘争が起きるとは、思わんかったわ。
故王妃の息子 侯爵派閥(権勢)
現王妃の息子 外務大臣派閥(過激)
側室の息子 伯爵派閥(中立)
王妃の派閥が問題での。裏で行動を起こすし、等々
わし、王なのに王妃が恐ろしい。
悪魔の様じゃ。(悪魔おらんが。)
出来れば、封魔結界したい。(出来無いが。)
聖水持って後宮に通うしかないか?
精神の回復魔法が本気で欲しいぞ。
それと何事にも動じない、賢者になりたい。
反魂香とか、ネクロマンサーが居れば、故王妃復活させるのだが…。
あれが生きておれば、こんなことにならなんだかも。
いや、更に恐ろしい事になりかねないか?
確実になるの! 悪魔召喚に等しい!
ガゼール伯爵令嬢の事を根に持っておったし。
側妃にして、子まで居ると知れば…。
寝室に、まじないしておこう。
三男、ステルビオは、立場上、中立を宣言させた。
ウェイク・スピアーノ 親友の子息だ。
わしから側近よりの侍従にして 名目上は、侍従
二人の異母兄殿下の派閥から中立を守る様に言っておく。
息子のブレーンで、わしの回し者。
報告では、三番目の発言が現実的では無いが、発想は素晴らしいと聞いて、頭が痛くなったの。
「護法童子とか式神召喚とか透明化魔法とか! 見えてないから、覗き放題!」
アホであった。命掛かっとる、のにのぉ
普通なら、防御魔法と結界魔法なのだが。
因みに、法術とか妖術とか神術とか呪術とか幻術がまだあるぞ? (全く使えんが。)
わしは、三男が転生者だと確信しとる。
発想と発言がアホであるが、あの子とわしの息子だ!
かわいいに決まっておる!
何とかせねばと思い、隣国に行かせる事にして、派閥の争いから遠ざけたかった。
何か理由を付け、臣下にさせれば三男だけは、と思っておるが、他の派閥が何と言うか。頭が痛いのぉ
スピアーノの息子なら何とかすると信じておったが、まさかの!
乙女ゲームとは!
更に、機転を効かせて
隣国の王子の婚約者を助けて、プロポーズさせる作戦とは流石だが、実際は助け出すだけとは…。
外務大臣のモルフェに貸しにしかならんなぁ?
もう少し大きな理由が欲しいのぉ。
いっそ、魔神とか魔王とかおれば、退治してそれを理由に爵位を授けて臣下に下らせるのにのぉ。
ハァ 三男の言動で、ゲーム脳に戻りつつあるのぉ。
上二人は、暫く放置で良いが、三男を安全に臣下にするには、どうしたら良いか。
国に戻ってきておるが、騎士団に所属して魔物討伐すると息巻いて居るが、影からの報告で、また何か言ったらしいのぉ。
「魔法の剣とか特別な武器があれば欲しい!」
「魔石とかあれば、刻印魔法とかで、特別な武器とか作れないかなぁ?」(どちらも無いが)
「例えば、魔道武器とか!」
息子よ、わしも魔道武器が欲しいと、思っておったのだ!
彼の名前が出ないままです。
しかも、彼の話が出無いとは!
追加で書かねば!と思ってます。