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9話 魔女の過去

長い…長すぎる……


ラカムが行きたい場所があると言うので着いて行っているが、かれこれ3時間は歩いている……


足も重く、若干頭も痛い。


もう今にも倒れそうなマニタに対し、ラカムはどんどん突き進んでいく。


山を登っているのだろうか。道は若干上り坂になっている。自然が多く、鳥のさえずりが聞こえてくる。


するとラカムが


「着きましたよ。」


そう言った。


着いた場所は草木が生い茂り、国を一望できる山の山頂だった。


マニタは座り込んだ。マニタからはほとんど生気が感じられない。


「と、とりあえず。お昼ご飯にしましょうか」




「うおー!なんだこれ!美味そう!」


「この地方で取れるシカの肉ですよ」


「あれ?シカは生命力の問題から魔王の攻撃で絶滅したんじゃ…?」


マニタは自分の顔ほどある大きな肉を頬張りながら質問する。


「この辺りの動物達は私が守りました」


「マジかよ!?流石にすごすぎるだろ」


「魔王様の攻撃のタイミングなどは魔王軍の者として知らされていたので……」


「だとしてもすげぇよ……」


マニタはそんな会話をしているうちにシカの肉を食べてしまっていた。


「あ、そういえば、結局ここには何があるんだ? ただ草木が広がってるところにしか見えないんだが……」


すると、ラカムの顔が暗くなり、少し俯いた。

そして、語り始める。


「この場所には元々私と私の両親が住んでいました。そんな時に起きた、 魔王軍でも無く、魔女とも呼ばれていない、まだ私が10歳くらいの時の話です。


当時私はまだ女子魔法訓練校に通っていました。 そこで私はトップの成績をなんとか取り続けました。

すると、王様からパーティに誘われたのです。私はパーティに出向き、楽しみました。パーティが終わり、みんなが帰る雰囲気になっていると王様が私の元へ来ました。 内容は王様が所属している団体への勧誘でした。 私は親に相談した後その団体へ加入しました。この団体こそが魔王軍だったのです。


私はその事を知らされないままそこで修行を重ねました。

そして時が経ったある日、魔王軍である事を知らされます。それと同時に、魔王様がこのような世界に変えてしまった原因となる攻撃をすることを聞きました。 幹部の方曰く、魔王様が目覚めた事を世に知らしめる為だそうです。


私は急いでこの国を守りに来ました。そして最初に家もあるこの山を守り終え少し休憩してる間に魔王様は予定よりもかなり早く攻撃をしてしまいました。

そしてこの国で残ったのはこの山と私の家だけでした。

私はこの事が王様に知られ、裏切りだとして牢獄に囚われました。


ちょうど精神的にも肉体的にも限界をむかえてきたころでした、私の父と母が助けに来てくれたのです。

父と母は一級魔術師で、国の中でトップクラスの実力がありました。檻の中から父と母に助け出され、逃げているとこの国の王様が騒ぎを聞きつけやってきました。

王様は怒り狂い、私達に攻撃をしてきました。私には体力が残っておらず魔法が使えないので、両親が王様の相手をしていました。

ですが、王様の方が一枚上手で、両親の体力は徐々に削られていきました。

そこで王様は奥義の魔法、レベル6相当の魔法を打ちました。辺り一面が白い光に包まれ、気づくと、私はこの山の頂上の本来なら家があった場所にいたのです。恐らく空間魔術を得意とする母が私とこの家の場所を入れ替えたのでしょう。

あの魔法で両親は亡くなりました。どうやら私も死んだ扱いになっているようで、魔王軍が私を追って来ることはありませんでした……」


「それで、魔王軍からバレない森の中で住んでいたってわけか……」


マニタは珍しく話を真剣に聞いていた。

魔王軍に関するヒントが貰えると思ったからだ。

そしていくつかヒントを得た。


一つはこの国の王様が魔王軍の一人であること。


二つ目は魔王が目を覚ました事で、こうなったのでは無く、魔王が元から存在していて攻撃をしたということ。


となると魔王はかなり高レベルの魔法を使えるこの世にいる存在であり、その存在はかなり絞られてくる。


「で、お前はどうしたいんだ?」


ラカムは一拍おいたあと


「私の両親を殺した王様を殺したい…… そして、世界をこんなにした魔王も殺したい……」


ラカムは魔王様では無く、魔王と、そう読んでいた。



トントンとドアをノックする音が聞こえる。


「失礼します、王様。 昼食をお持ち致しました。」


メイド服の使用人はゆっくりとドアを開ける。


「ああ。ありがとう。 それでどうだ?ターゲットとラカムを殺す部隊は?」


「順調でございます」


「君自身は戦いに参加するのかね?」


使用人は王様の目を見ながら、


「はい。 私もラカムという憎き相手を殺すために……」


「そうか……」


王は低い落ち着いた声でただ一言そう告げた…



















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