6話 森の魔女
マニタ達はサリヤの国を目指し歩いていた。
すると、森の中である一件の家を見つけた。
「なぁ、あそこの家行ってみないか?」
マニタは提案する。ゴブリン達は満場一致で首を縦に振った。
家は近くで見ると案外大きく、木で作られたいかにも森で魔女が住んでます。という感じの家だった。
(本当に魔女とかいるんじゃ……)
マニタは不安だった。この世界における魔女というのは魔術の力を持つものとして最高位の存在である。
この世界の魔術はレベルが存在する。
レベル1の魔法はレベル2には効かない、レベル2の魔法はレベル3には効かない、と言った感じで全ての魔術にレベルが存在している。
そして最高レベルは7。
同じレベルの魔術の場合はその魔術の属性により変化する。
火は木に強く、木は水に強く、水は火に強く、
闇と光は互いに強く、そして互いに弱い。
一般的な王族に継承されてきた魔術のレベルは4
魔女が使う魔術のレベルは5、魔王はレベル6以上とされている。
これはあくまで一般的であるため、王族でもレベル5以上の魔術を使う者も中にはいる。
この世界での人それぞれの強さは魔術によって変わることが多い。
マニタが使える魔術のレベルは最高で5。そのため魔王の魔術である攻撃を防ぐことが出来なかった。
家に近づき呼び鈴を鳴らした。
すると中から若い女性の声が聞こえてきた。
「ちょっと待ってて下さーい!」
なにやら中は忙しなく、色々な物が落ちる音が聞こえてきた。
(大丈夫か? ここの人……)
マニタは少し不安だったがしばらくすると中から髪の長い誰が見ても魔女だと分かる紫色の服の女性が出てきた。
「すいません……時間がかかってしまって」
「いえ、失礼ですが、あなたは魔女ですか?」
すると彼女は平然と
「はい、私はサリヤの国の魔女のラカムと申します。 どうぞよろしく」
さっきまでのドジっ子さとは裏腹にキチっとした挨拶が返ってきた。
「僕はカタロス・マニタ。テノハの国の剣士だ。よろしくな」
「では、マニタさん。1度家に上がってくださいな。あ、後ろのゴブリンさん達もどうぞ」
「ありがとう」
マニタは悩んでいた。もしかしたら裏があるのかもしれない。魔女の中にも良い魔女はいるのだが、悪い魔女の方が多い。もしかしたら自分達は騙されているのではないか。そう考えていた。
家に入ると居間のような場所に案内された。
家の中は外で見たよりもずっと広い。
恐らく錯覚魔法の応用で家の中と外の見え方を変えたのだろう。
「今、お茶持っていきますね」
そして出されたお茶はサリヤの国の名物のお茶らしい。正直味の違いが分からないマニタにとってはどんなお茶でもいいのだ。
「どうもありがとう」
お茶を飲もうとするとラカムはマニタの方をじっと見つめていた。
「どうしました? 僕の顔に何かついてます?」
「いえ、そういう訳では無いのです。 ここの家に来客の方がいらっしゃる事が無いので、緊張してしまって……」
だからと言ってそこまで見なくても…… とマニタは思ったが、久々だし仕方ないか。と諦めた。
「1つ聞きたかったんだがラカムはなんで魔王の攻撃を食らってないんだ?」
と、1つ質問をしてみた。するとラカムは
「ちょっと待ってて下さい」
そういい部屋の奥へと歩いて行ってしまった。
しばらくすると戻ってきて、
「これを見てください」
そしてラカムが見せてくれたのは魔王軍の紋章だった。
「こ、これは……」
「はい。お察しの通りこちらは魔王軍の紋章でございます。私は元魔王軍なのです」
「元? 何で抜けてきたんだ?」
「詳しい事は言えないのですが、魔王が行おうとしている計画が私にとって嫌な事だったので抜けたのです」
「嫌な……事?」
「私の家庭事情に関する事になるので返答は控えたいのですが……」
「ああ。なら別に大丈夫。 ありがとうわざわざ教えてくれて」
もしラカムのいうことが本当だとするならその計画ば何なのだろう。
マニタはラカムと話をしている内に仲を深めていた。
その中でマニタは自分の今まであったことを話したりしていた。
「私久々にこんな楽しい時間を過ごせました。
私魔女だから……友達も出来ないし、人も全然居ないから話す相手が居なくて……」
するとラカムから驚きの言葉が出てきた。
「あの……私を仲間にしてくれませんか!?」
マニタは口をポカンと開けて固まっていた……