表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソルフィア・テストゲーム  作者: ルーパー
4/6

第四話 出会い

頑張ってあとちょっとは毎日投稿できるように頑張ります


 俺の唯一の生きがいと言えた姉さんをあの鳥に殺されてからもう五日が経った。


 あの後、俺は意識を失ってから二時間ほどで目を覚ました。幸い、ボスモンスターと戦ったところは、その後一定時間モンスターがポップしないようだった。多分、ボスを倒してすぐにモンスターがポップし始めると、戦った人たちはかなりの疲労と戦わなければいけなくなるから、そのことへの配慮としてのことなのだろうと俺は推測した。

 俺は、目覚めて自分の視界の左上を見て、数分絶句していた。一日だけで二万人という人たちが命を落としたという事実だけが俺の頭で反響し、口を開くことすらできなかった。そして、姉さんが俺をかばって死んだことを思い出し、俺はその場で泣き叫んだ。


 その後、俺は何とか立ち直り、安全地帯に向かって歩き始めた。だが、途中で諦めた。安全地帯までの道のりは長く、安全地帯に着くまでにポップしたモンスターに倒されるのではないかと思ったからだ。それから俺は、野原(もちろんモンスターがポップする)に簡素なキャンプ場を作り、野営を始めた。それが一昨日の話。昨日、俺はレベルを上げるためにポップしたモンスターを倒していた。最初は何度も殺されそうになったが、次第にコツを掴んでいった。昨日はレベルが一から二に上がった。そして今に至るというわけだ。


 「今日もモンスター倒しに行くか………」


 俺は昨日見つけた、モンスターのポップしやすい場所へ向かった。昨日のレベリングで、左手の甲の上に出てくる立体画面の使い方がわかった。まず、Mr.Xが言っていたように、空中に「D」の文字を指で描くと立体画面が出てくるようになっている。そして、立体画面には、名前、レベル、HP、所持金が書かれていて、その下に「装備品」、「剣技」、[アイテム]、[マップ]というボタンがある。

「装備品」のボタンを押すと、棒人間に似た簡素な人の絵の場所ごとに線が引っ張られ、「頭部装備」、「上半身装備」、「右手装備」、「左手装備」、「下半身装備」、「足装備」と書かれている。そのいずれかを押して、装備を変えたり、服を着替えたりできる。

 普通に敵を斬るよりも、威力も速さも格段に違う剣を振るうことが出来る。これをうまく使うと戦闘がとてもしやすくなる。この技こそが剣技だ。「剣技」のボダンを押すと、レベルが上がったり、クエストをクリアするごとに貰えるポイントを使って、剣技を取得できる。もちろん、各種類の武器には熟練度というシステムがあり、強力な剣技は「熟練度~以上」など条件が付いたものもある。

 「アイテム」のボタンを押すと、自分の所持品の一覧が出てくる。ここには、装備品はもちろん、倒したモンスターがドロップした物や、回復薬などのアイテム、収穫した食材や植物などが書かれている。

 [マップ]はその名の通り、地図で、自分が今居る区域の地図が表示される。だが、ダンジョンの中などはマッピングされておらず、自分で一度通ったところしか見えないようになっている。


Name:緩霧 舜  Lv.2  HP 200/200  所持金 70 G

[装備]   [剣技]   [アイテム]   [マップ]


 今の俺はこんな感じだ。お金の単位はG(ゴールド)となっており、モンスターを倒したり、クエストをクリアすることで獲得できる。昨日、レベルが上がり、ポイントが貯まったので、剣技を二つ取得した。それは、片手剣突進型剣技と片手剣横斬型剣技のふたつで、それぞれ《ラッシュ》と《サーベス》という名前だ。

 昨日、この二つを取得したことでポイントがすべてなくなった。この《ラッシュ》と《サーベス》は片手剣の基本剣技で、他の剣技はこの二つから派生したものになっていた。《サーベス》と《ラッシュ》の次の剣技は熟練度が50以上ではないととれないらしく、俺はまだ片手剣の熟練度が20なので取得できない。

 それに、《ラッシュ》と《サーベス》は基本剣技なので、それぞれ5ポイントずつで取得できたが、次の剣技からは50ポイントも必要になるので、まだまだ扱える代物ではない。

 そんなことを考えながら、俺は目的地に到着した。そこはコボルドの生息地だ。コボルドは比較的雑魚モンスターで、レベルが低い俺の丁度いいレベリングの相手となる。コボルドの顔は犬よりの人面で、体つきはとてもがっしりとしていて、少し長めの尾があり、背は150cm程度になっている。装備は軽めの鎧のようなものを着ていて、主武器は両手剣だ。俺がコボルドの生息地に足を踏み入れると、たちまち俺の周りから青く薄い柱状の光が現れ、コボルドがポップしていく。ざっと二十体くらいポップしただろう。そう思い、俺は正面にポップした二体のコボルドに駆けて行った。

 二体のコボルトに接近することで、敵のカーソルが表示される。昨日何度も見た赤い逆三角形と、【Lv.2 Coborudo】という文字がある……………ん?…………Lv.2…………?昨日はLv.1だったはずのコボルトのレベルが上がっている。


「まぁ、俺もLv.2に上がったのだから丁度いいか」


 散っていた意識をもとに戻し、戦いに集中する。俺は走りながら抜刀し、片手剣突進型剣技ラッシュの姿勢に入る。すると、剣が黒く光る。接近してくる俺に気づいたようで、二体のコボルドも即座に剣を抜刀し、振りかぶる。


 「うおぉぉぉぉ!!!!」


 「グゥオオォォォォ!!!!!」 「グゥウアアァァァァ!!!!!」


 バシッという効果音と共に、俺の剣はコボルドたちの腹へと直撃する。コボルドたちが振り下ろした剣よりも、俺の《ラッシュ》の速度の方が速かったのだ。《ラッシュ》は威力では《サーベス》に劣るが、速度は《サーベス》よりも速い。やはり、一撃目は《ラッシュ》がよさそうだ。そんなことを考えながら、俺は《ラッシュ》の勢いのまま二体のコボルトの後ろに回り込む。さっきの一撃で二体ともHPが半分程度減少している。剣技が普通の攻撃とは威力が段違いに違うことを改めて実感させられる。俺は、引き続き《サーベス》の姿勢へと移る。剣が黒色から白色に変化する。


 「いっけぇぇぇ!!!!」


 俺は、二体のコボルドの後ろへ跳躍し、横に一閃した。グゥインという効果音がなり、俺の剣技はコボルドたちに直撃した。一体のコボルドがバタンと地面に倒れ込み、数字の羅列になったあと、消えた。二体目のコボルドはまだHPが四分の一程度残っていて、俺に攻撃するために近づいてきていた。俺はそれに気づかず、《サーベス》の勢いを消すことに集中していた。


 「グゥオオォォォォ!!!!!」


 「うわぁっっ!!!!!」


 コボルトの剣が俺の頭上に振り下ろされる。俺は即座に剣を頭上で横向きにし、コボルドの攻撃に対抗する。俺とコボルドの力はほぼ互角だったので、互いに後ろに飛ばされる。俺とコボルドは間に10mほどの間隔をあけて姿勢を立て直した。俺は、すぐにコボルドに向かって駆けだした。コボルドはコンマ何秒か遅れて俺に向かって走ってくる。コボルドは剣を横にして地面と水平にして走り寄ってくる。多分、近づくと同時に剣を一閃させて横に切るつもりだろう。


 「………なら俺は……」


 俺は剣を《ラッシュ》の剣技の姿勢にする。再び剣が黒く光り、俺の走る速度をいっきに加速させた。


「もっと速く……あいつが剣を動かす前に……!」


 俺はただ速くすることだけを考えコボルドに攻撃した。


 「うぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!」


 ガィインと甲高い効果音が鳴り響く。コボルドは俺のすぐ正面で剣を頭上に掲げたまま静止している。コボルドのHPが結構な速度で減少していき…………なくなる。俺はコボルドの腹にささった剣を抜き、納刀する。


 「…………危なかったぁ………やっぱり剣技の扱いは難しいな……」


 俺が先ほどの戦いの感想を述べていると、ポップしていた他のコボルドが俺に接近してくる。


 「よし、もう一回やってみるか」


 俺はまた、昨日と同じように、コボルドを大量に倒すレベリングを始めた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 「………ふぅ……少し暗くなってきたな………今日はこれくらいにしとくか…………」


 あの後俺は五百体程度のコボルドを倒し、レベルが4に上昇した。片手剣の熟練度は40まで上がり、コボルドのドロップ品で色々手に入ったし、所持金も250Gまで増えた。昨日と比べると格段に成果がでている。やはり、剣技を取得したおかげだろうか。そんなことを考えつつ俺は帰る用意を始める。


 「うわぁぁぁぁあああ!!!!助けてぇぇぇ!!!!」


 俺が帰り始めてすぐの時、コボルドの生息地の方で悲鳴が聞こえた。俺は声がする方へ全力で走った。さっきまで俺がいたコボルドの生息地にコボルドが大量にポップし、俺の右斜め前のところを囲うように円になり抜刀していた。ざっと三十体くらいはいるだろう。俺は円の中心に目を向けた。そこには俺と同い年くらいの少年が尻餅をついて座っていた。俺は即座に抜刀し、《ラッシュ》の姿勢に入る。そのままいっきに加速し、少年の周りのコボルドに奇襲を仕掛ける。


 「グゥオオォォォォ!!!!!」


 コボルドが五体宙に浮かんで落下する。そのコボルドたちのHPは五分の三ほど減少した。奇襲を仕掛けたことで、他のコボルドたちも俺に気づき、ターゲットを中心の少年から俺に変えた。先ほど攻撃した五体のコボルドと他のコボルド五体の計十体が一斉に俺に攻撃を仕掛けてきた。横に一閃させられた十本の剣を俺はしゃがんで間一髪のところで躱す。少し髪の毛が切られた。しゃがむ瞬間に《サーベス》の姿勢を作ることで剣技を使用可能にする。


 「はぁぁあああっ!!!!!」


 俺に攻撃してきた十体のコボルトの足を払うようにして《サーベス》を発動させる。そして、《サーベス》終了後に素早く逆立ちのような姿勢になり、腕の力を使って宙に浮かぶ。俺は空中で《ラッシュ》の姿勢にし、残りの五体のコボルトに向かって直進した。ドゴォォオン!と大きな音がなり、砂煙が舞う。《ラッシュ》がうまく決まり、十体のコボルトを倒した。《ラッシュ》でコボルトたちに直進している時に、コボルドの剣が少しかすって右の腕に攻撃をくらった。HPが五パーセントほど減少している。俺がそんな事を考えていると、砂煙に紛れて残りの二十体くらいのコボルドが俺に接近してきた。全勢力を使わないと勝てないと悟ったのだろう。


 「……………………かかってこい!」


 俺は何と言うべきか迷ったものの自分のモチベーションを上げるため、少しかっこつけたセリフを言ってみた。すると


 「グゥォォォオオオァァアアア!!!!!!」


 コボルドたちはより声を上げて接近してきた。これはちょっと敵の怒りを買っちゃったかな?と思いつつ、俺は二十体のコボルドを倒し始めた。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 三十分後


 俺はコボルドを全員返り討ちにし、少年のもとへ向かった。


 「………あ……あなたは………?」


 「俺は緩霧舜。シュンって呼んでくれ」


 「あ、ありがとう。本当にありがとう!シュン君」


 そう言って彼は俺と握手する。


 「君つけなくていいよ。ところで君は?」


 「わかった、シュン。僕の名前は努奇。ユメキって呼んで」


 俺は、ユメキの頭上に視線を向ける。ユメキのカーソルの色は灰色だった。灰色のカーソルはNPCなのだと最近知った。今までのゲームでは、NPCには決まった言葉を言わないと返答してくれなかった。俺が、ユメキに何を話せばいいのか迷っていると


 「あの…どうかしたの、シュン?」


 「い、いや。何でもない。ところでユメキはこれからどうするんだ?」


 まさかNPCの方から話しかけてくるとは思わなかったため、俺は少し驚いた。もしかしたらこのゲームのNPCは今までのゲームとは違い、自己を持っているのではないか…………?俺がそんなことを考えていると先ほどの質問の返答が帰ってくる。


 「ここからそんなに離れていないところにバングラの街という町があって、そこに家があるから今から帰るよ」


 「帰りは大丈夫なのか?」


 俺はあえて、「大丈夫なのか?」の前の「一緒に行かなくても」という文を飛ばした。今までのゲームなら、ちゃんと全文言わないとNPCは理解してくれなかったので、もし、この世界のNPCが今までと違うのならばちゃんと返答してくれるのではないかと思ったからだ。


 「大丈夫だよ。帰りは魔物がほぼ出ないから」


 「お、おう。わかった。じゃあまたどこかで会おうな、ユメキ」


 ユメキがあまりにも自然に返答してきたことに少々驚きつつ、俺はユメキに別れの挨拶を言った。


 「うん。またね、シュン」


 俺は最近寝泊まりしている簡素な住処に、ユメキはユメキの家があるというバングラの街に向かって歩き始めた。

 どうやら、NPCはモンスターのことを魔物と呼んでいるらしい。それに、ユメキが暮らすバングラの街ってどんなとこ……………ん?………え?……………ま、まさか……


 「近くに町あるのぉぉぉ!!!!⁇⁇」


 俺は急いで荷物をまとめ、ユメキが暮らすと思われる街に直行した。


「面白いかも!」「続き読んでみたいかも!」と思った人はブクマ登録、または下の☆を★に変えてください。お願いしますっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ