俺は一体誰なんだ?
初めまして、零 壱弐参でーす。
はっきり言って趣味で尚且つ暇潰しで書いたので短い上、面白くないでしょうけどW読んで頂けたら嬉しいです(^-^)
プロローグ
ある日の朝…、俺が覚えている限りの最初の記憶だ。
「…ん…。」
暗い…、何も…見えない…。
「此処は…俺は…誰だ…?」
目が慣れてようやく分かった。
俺は洞窟内に設置された牢屋の中にいた。いや違う、そこじゃない。
「何故…俺は此処にいる?」
分からない。何故だ?記憶が無い。
「とりあえず…此処を出るか…。」
身体を起こそうとする…が、うまく立てない。
「ぐっ…身体が…重い…。」
何とか身体を起こしたが、あることに気が付いた。
ガチャン…。
「チッ…鍵がかかってるな。」
俺はその開かずの鉄格子を見つめる。
「ボロいな…蹴破れる…か?」
脚に力を込める。
「ハァッ!!」
…我ながら見事だと思う。ボロボロの鉄格子はいとも簡単に蹴破れた。
「さて、脱出したは良いが…これからどうするか。」
洞窟を探索するか?いや、何も無さそうだな…外に出るか。外がどうなっているのか、気になる所でもあるしな。
「よし、行くか…!」
第一章
「眩しいな…。」
なんというか、森の中だった。
「人の気配…は無いな、その辺を歩いてみるか。」
密度はそこまで無いが、結構な量の木が生えている。
「それにしても、俺は何故俺は牢屋の中なんかにいたんだ?」
思い出そうとするが、思い出すものは何もなかった。
「それに後回しにしてたが、俺は一体誰なんだ?」
あの牢屋で目覚めた時より、前の記憶が無い。はっきり言って記憶が無いというのは、自分を認識出来ていないような気持ち悪い感覚だ。
「…町にでも行くか?」
町に行けば人も居るし、人が居るという事はその分情報もあるはず。俺を知っている奴が居るかもしれない。
「まずは、森を出なきゃだな。町の方角は…。」
そういえば、この土地の地理がわからない。
「まあ、適当に歩いていればどっかの町に着くだろ。」
「よし、着いた。」
あんな森の中でも歩いてれば、意外と着くもんだな。
「ん…?」
あれは…検問所か…?
「まずいな、恐らく身分を証明する物が要るはずだ。」
どうしたものか…。ん?
「何だか騒がしくなったな…。」
どうやら検問所で、若い女が同じ年位の男に絡まれているようだ。待てよ…?
「ここであの女に恩を売っておけば、検問所を抜けられるかもしれない。」
我ながら良い案だ、そうと決まればさっそく。
「おい、何をしている?その女は嫌がっているようだが?」
「あぁん…?誰だ、てめぇ…!」
「貴様に教える名など無い。」
まぁ、こいつに限らず教える名前は無いんだがな。
「てめぇ…ぶっ殺してやる…!!」
男は腰に差した剣を振りかざして来た…は良いが、剣速があまりに遅い。
「お前…手加減してくれているのか?」
丸腰の俺に対して手加減をする、という事は意外と良い奴なのか?と思ったら何か更に顔を赤くして斬りかかってきやがった。
「お、おい!」
前言撤回、よく分からないが良い奴では無い。まぁ、俺が怒らせたのだろうが。
「死ね、死ね死ね死ねぇ!!」
仕方がない、顔に一発食らわせれば大人しくなるだろう。
「悪いが、大人しくしていろ…!!」
「うごぁっ…!?」
…気絶…した。
「いやいや、ちょっと待て!」
弱すぎだろ、こいつ…。あの勢いは何だったんだ…。
「顔面一発で大人しくなればとは言ったが、まさか気絶するとは…。」
「あ、あの…ありがとう…。」
「お前、何であんな雑魚に絡まれてたんだ?」
姿を見るに、明らかに冒険者だ。女だが少なくとも、あいつよりかは強そうなんだが…。
「雑魚っ!?彼はこの国で一番強いギルドの副団長よ!?」
「…つまらない嘘は嫌いなんだが…?」
「嘘じゃないわよっ!!」
選ぶ人間を間違えたか…?まぁ、良い…それより…。
「助けた礼に、この町に入れてくれ。俺は身分を証明する物が無いんだ。」
「え…?まぁ、それくらいなら…。」
何だ?今の間は?
「そういえばお前、名は?」
「八重よ、桜田八重ヤエで良いわよ。」
八重…桜田…。
「貴方の名前は?」
「あぁ…。」
よし、お前の名前を少し使わせて貰おう。
「俺は八重 桜だ。」