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スライミー  作者: 夜朝
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エピローグ

 酒場での語らいから何ヶ月かが経過した。


 彼は一番上の上司に、現在の仲違いが絶えない現状と、それを解消するための新プランを提案して、恐ろしいことに新プロジェクトの責任者になってしまった。


 もちろん反発は予想通りで。


 彼は何度も何度も足を運んで頭を下げて、ようやく全員の気持ちが同じ方向を向いたのは何ヶ月も何年も経った頃のことだった。


 それから更に数年。


 彼らはプロジェクトをようやく完成に導いたのだった。


 今、皆の目に映るのは新しい商店街の姿。


 それぞれが異なる得意分野を持ち寄って、毎日売り上げを確認して、思うように伸びていない店舗には皆で支援を惜しまない。


 他の店舗で買い物したら配布する該当の店の値引きクーポンが好循環だ。


「よーしよしよし。街も軌道に乗ってきたし。今夜はみんなで一杯いくか!」


「よし! えっと、次の当番はどの店だったかな?」


「おっけ、次はうちよ。今日は早じまいにするから、みんな来てよ〜」


「酒足りなかったら言ってよ、うちの在庫ちょい回せるから」


「エールが五本くらいほしいかな。いくら?」


「えっとねー……大瓶だから……」


 仲が良いのは発展の前提だ。


 ふたりの仲直りのために始めたプロジェクトが、規模を拡大して形になっている。


 彼はもちもち動く生き物が頬ずりしてくるのを笑顔で受け止めた。


 そう言えば元々はこの生き物が連れていってくれたから相談もできたのだ。


 彼は、ありがとう。と、指先で生き物をあやしながらささやいた。


 終


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