突然の転移!!
初めてのギャグで不安ですが頑張っていきたいです。
「う、う~ん、もう朝……ん?こ、ここは……?」
俺の名前は天塚黒斗。どこにでもいるごく普通の高校生だ。俺が目を開けると、そこは不思議な空間だった。まるで写真でしか見たことのない宇宙空間のような場所に俺は横になっている。うっ……頭が痛い……ようなことも特になく多少目覚めが悪いような体調で俺は体を起こす。
「おはようございます、黒斗さん。」
今まで気づかなかったのが嘘と思えるほどの近距離に、とんでもない美少女が正座していた。真っ白で長い髪と肌、金色の瞳、桜色の小さな唇をしたスレンダーな少女はまるでこの世のものとは思えないほどの美しさを備えている。そして、彼女の背中からは純白の羽根が……羽根!?
「お、おわあっ!!」
俺は彼女に驚き、体を勢いよく後ろに下げる。
「お、お前は一体……はっ!!」
ここで俺の十六年間蓄えてきた知性が天才的なひらめきを呼び起こす。これ、ネット小説でよくあるやつじゃん!!
「もしかしてこれ、異世界召喚ってやつ!?でも俺、トラックに轢かれてもいないし、死ぬようなことをした記憶もないんだけど……」
「ああ、安心してください。貴方は別に死んでいません。」
「じゃ、じゃあなんでこんな場所に……」
「寝てる間に貴方の体ごと転移させました。だからもしこの状況にジャンルを付けるとすれば異世界転移ですかね。」
「な、なんだかメタな事を言われた気がする……」
「まあ、そんな事はどうでもいいのです。貴方には、ある使命を遂行して頂きます。」
「おおっ!?これもよくあるやつじゃん!!これから俺の異世界チート生活が幕をあけ――――」
「ちょっと待ったーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
突然俺の後方から大きな声が響く。キーンとする耳をふさぎながら後ろを向くと、そこにも先ほどの少女に引けを取らないとんでもない美少女がいた。
「私のことを無視して話を進めないでよね!!あんたを召喚したのは、私なんだから!!」
少女は黒いショートヘアを揺らしながら、勝気そうな赤い瞳をこちらに向けながらふてぶてしい表情で俺を見下ろしている。ちなみにスタイルはそこら辺のグラビアアイドルよりも……
「どっ……どこ見てるのよこの変態!!」
「ぶへらっ!!」
少女のビンタが俺の頬を直撃し、俺は数メートル吹っ飛ぶ。吹っ飛びながら、俺はその黒髪の少女の背中から生えている蝙蝠のような翼に気付き、のんきに考え事をしていたのだった。
(……真っ白な翼の少女と悪魔の羽根を持つ少女。女神ポジションが二人いる転移かぁ。)
これが俺、天塚黒斗の異世界転移最初の一ページだった。今はまだ何一つ分からない、でも、確実に分かることはこれから俺の身に起こることは今までの日常とは全く違ったものだという事だ。
(これから俺、どうなっちゃうの~!?)