孤独ってわかる?
軽やかに車の助手席から次の女に逢うために
降りていく
後ろ姿を見ている私は…
貴方は簡単に、最寄りの駅まで送ってほしいというけれど、私は貴方のお付きの運転手でもないし…
もちろん、貴方の妻でもない
ましてや母でもないよ…
たまたま仕事で同行してるからといって
そのまんま、私の気持ちを知りながら、
他の女性と逢うための駅まで
私を使う
車で送る私の気持ち
貴方は全然分かってないね
助手席から次の目的に向かって軽やかに降りていく貴方を、ヤキモチにも似た、なんとも言えない感情が私を襲う
だれに逢うの?
いつ帰るの?
私に連絡くれるの?
客観的に見て、ただ単に利用されてるだけじゃない?
本当に馬鹿な私
貴方は置いてきぼりにされる私の気持ちは、解らないでしょう
貴方の妻や子供がこの世からいなくなって、母や父までも貴方の近くにいなくなった時に、漸くわかるのかと思うよ
ましてや私は貴方の妻でも愛人でも
ただのセフレでもなく、運転手
分かってるの
分かってる…
貴方のいう通り、別件で仕事関係の人に逢うんだよね
嘘をついてることは、簡単にわかるよ
だって貴方はいつだって、
嘘つきだもの
自分では性差なく、人として興味があると
胡散臭いことを真顔で言う貴方
顔から火が出るほど恥ずかしいことを
平気で言えるほど、世間擦れしてるのがわからない
人は人に認められてから、自分が始まる
誰でもそうだよ
自分の足元がズブズブで身動き取れないにもかかわらず、俺は人のために生きるなんて
真顔で言われても
全然説得力ないもの
だから
大好きな貴方を気にしている、年の離れた姉ちゃん?
が見守ることにしたよ
もう身体も重なることもない
生きる努力をお互いにするからこそ、愛が生まれると
恋愛下手な精神年齢15歳のおばさんは
想っているの
貴方の家族が
貴方の前からいなくなるまで
私の気持ちはわからないよね