私はいつでも独りで生きた
『つれないね』
つまらなそうに、悲しそうに言う君を俺は独りで眺めることしかできない。
『助けてよ』
闇の中の彼女はその瞳に涙をためて言うものだから、俺は無理だと伝える。
『どうして』
それは言えない。
『こんな私を、あなたは一人にできるの?』
できない。
できるわけがない。
だからこうしてそばにいる。
お前のそばを離れずに、ずっと長い間見守っている。
『見ているだけじゃない』
それがお前の望みだから。
何でも叶えると約束をした。
お前の願いなら例えこの手を血に染めようとも構わない。
そういった俺にお前はてをださないことを望んだ。
今から自分がすること。
それすべて見届けろ。
何があっても手を出すことは許さない。
と。
『嘘』
ほんとうだ。
変わらぬ日常と
過ぎていく月日。
ほしいものは得られぬまま
俺は
黒い怪物えと姿をかえる。