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剣戟


願いもむなしく、とうとう町外れまできた。

「では、また」

「う、うむ」

どういう役を自分に振られているか全く分からず、アールは頷き、名残惜しげに(本当に名残惜しかった。別の意味で)ルキアの傍を離れた。

ルキアも名残惜しそうに?ややその場にたちどまってから、さらに町を離れるべく歩きだした。

目指す場所は、貴人たちの屋敷が多い山の手だ。

そこの使用人風か、子弟を装っているつもりだった。

人の姿などない。

遠く、海の方に漁火が見えた。

「来るなら来て見やがれ、銀髪野郎」

小さく毒づく。

月は細く上空に輝いている。

これぐらいなら、ルキアにとっては夕暮れと変わりなく周りが見えた。

だから、坂の下から追ってくるかのように迫ってくる男たちに気づいた。

「ゆっくり夜景を楽しむ暇はなかったな。単なる変態じゃなければいいが」

不敵に笑う。

気づかないふりで、ゆっくり歩む。

足音が背に響くまでになって、足を止める。

胡乱気に男たちを見たが、目は笑っていたかもしれない。

男たちは無言だった。

全員で3人。

大柄で、よく鍛えた体だ。一見漁師かと思うが、軍人とまではいかないが、統制がとれている。

訓練している気配がある。

(ビンゴ!)

にんまり。

ルキアは、普通を装い

「何か御用ですか?」

と男たちに尋ねる。

一人は前に、残りは後ろに回る。

その間も無言。

手は剣にかかっている。

前ではなく、後ろの男が先に剣を抜いた。

明らかにルキアを殺すつもりで、横に振られる剣を紙一重でよける。

「問答無用ってか?」

剣を避けたことで、男たちが戸惑う。

だが、それも一瞬。

「囲んで殺せ!」

前にいた男が剣を抜き、きりかかってくる。

後ろの男が突く。

それをルキアは高く飛び、バク転して避けた。

おおおっと、男たちが感嘆の声を上げる。

男たちをひとまとめに前方になるように向きなおったときには、ルキアの白い手に短い剣が握られていた。

ややカーブを持つ、ナイフに近い剣は、ルキアが愛用するものだ。

盗賊が好んで使う。

舞うように剣を振るう。

間合が短いから、一気に一人の男の懐に飛び込み、一閃。

首が切れる。

慌てて、切り口を抑えるのを蹴り上げ、鳩尾にこぶしをたたきつける。

かと思うと、体をさっと返し、後ろから迫るもう一人に後ろ蹴りする。

それを避けた男が距離を取ろうとするのを逆に素早さにものを言わせて剣を横構えに迫る。

ルキアも無言だ。

動くときに息一つしてないかのような呼吸法は癖だ。

逆に獲物が思った以上に手ごわく、

「何者だ!」

曲者のはずの男たちが大声で怒鳴る。

たいして、

「馬鹿か!勝手に斬りかかってきて、何もものもあるかよ!」

ルキアの一閃が一人の男の顎を思いっきり下から突き上げた。

刃ではなく、柄を使った一撃は顎を砕きはしなかったが、男を昏倒させた。

最後の一人になって、男は

「助けてくれ!」

みっともなく叫び、剣を捨て、両手を挙げた。

勝負あり。

もうすぐ、時間をおいて町を出たアールが来るだろう。

そうしたら、縛って、尋問するか、とルキアはあっけない剣劇にこっそり肩の力を抜く。

「誰に頼まれた?」

油断なく、剣を向け、男の捨てた剣を足で器用に蹴り上げ、空いている片手につかむ。

「殺さないでくれ!」

こんなはずじゃなかった、という思いもあり男は泡食ってルキアに頼む。

「だから、誰に頼まれた?」

実は先に倒した二人も殺してはいない。

尋問は後にするか、迅速にするに限った。

混乱気味の男が、命惜しさに話そうと口を開いた、その時。

______男の顔から指が生えた。


どう言ったらいいのか。

後、10くらい書いたら終わるかなと思っています。

思った以上に時間がかかるのが、自分で不思議です。

ルキアが20代の話が先にあるので、なんかオヤジを意識しすぎて、の、わりにオヤジ臭さがなくて残念な結果に。

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