なんて思っていた
どうも、コーフィー・ブラウンです。
この時期のランニングは寒くて過酷です。
では、お楽しみください。
ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ
カチッ (目覚ましのスイッチを押す音)
カーテンから垂れ下がったスイッチを押すと、シューッ
とゆっくりと開き、明るい陽の光が差し込んでくる。
首と頭の無いロボットはそれを十分ほど浴びてから、
振り返って、グラスに詰めた種を一つつまんで、
ポトン
と床におとす。
キュ? ベッドの下から眼光。
キュキュキュキュ・・
だいぶ大きいハリネズミの胴と頭に、蜘蛛の足、そしてトカゲのしっぽ。
種を細長く硬い足でたたくと、出てきた中から白い中身をかじりついて食べる。
その間をチャンスととらえるようにロボットはしゃがみ込んで、見た目よりは少し柔らかい針いっぱいの背中を撫でる。
「どうした、ウルメティー」
ーおうワイズ、今日はミーンワイルと一緒に組む予定じゃったんだが、いないんだ。ー
「ああ、今彼は昨日の天命の治療を受けている。すまないが一人でこなしてくれないか?」
ハリネズミのような物体が足で、ロボットの機体にガリガリと掻く。
ポトン (種を落とす音)
また種の方に夢中になる。
ー仕方ねえか、だがあんまり甘く接してやるなよ?
一か月経ったら一人でやっていかなきゃならねえんだからよおー
「ああ、分かってるさ」
ハリネズミのような物体は、今度は腹を搔いてほしそうにあお向けで寝転がる。
カリカリ・・・ キュキュ、キュキュ
さて、そろそろ目を覚ますくらいには回復しただろう。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ここは・・・
ガコン ゴコン ガコン ゴコン
ガガガガガガ・・!
僕は一度も見たことないけど、知ってる。
鉄道というやつだ。
なぜ、見たことないのにこんなにも細かく感じられるのだろうか。
もしかして、夢ではなく現実だと言うのか?
車両が過ぎ去ったあと、周囲を見渡すが遠くの地平線の際まで何もなく、線路が永遠のように伸びている。
あれ、ここって何をしたらいいんだ?
今まではそれぞれにミッションのようなものがあって、
大きなクマを倒す、
銃を持った男たちから何とか逃げる、
ただ、知らない誰かと話す etc…
爆発オチ、落下オチ、出血死オチ、オチは無かったオチ etc…
きっと今回もロクなものではないんだろうけど、
ザッ ザッ ザッ
どれだけ草原を歩いても何もそんな要素は無い。
このまま進んで勝手にのたれ死ねってことだというのか?
それからまた十分ほど歩いたその時、
ー・・ポーッー・・・ー
とかすかに聞き取れた。
振り返ると、黒い列車の小さな姿。
これだ!!
何度もつまづきそうになりながらも、どんどん迫り来るその黒い鉄を睨みながら駆ける。
線路はまだ百メートル以上先だというのに、
列車の先頭が僕の前を通っていく。
まだ、諦めれるところじゃない!
列車は後ろに何台もくっつけている。
あとちょっと!
列車の最後列が目の端に映っている。
ダッ (列車に飛び移ろうと飛び込む音)
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
ドサッ
カプセル内の培養液を吸い込んで、カプセルを開くと、少年が中から倒れ出てくる。
「・・・ゔっ、ゔふっっ!・・はっ、・・はっ・・ゔあ゛れっ?」
「おはよう、ミーンワイル。今は昼前だ。気分は、どうだい?」
彼は、ゆっくりと体を起こして全身を見回す。
何もかもが、元通り。
「まあ、バッチリだろ?」
「はい」
「よしっ!じゃあ、食堂に行こう。」
「そうですね、えっ!?」
「うん?」
「ご飯、食べるんですね」
「僕は食べないよ。喋るだけさ。」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
食堂に近づくと、前は聞こえなかった声がいくつも聞こえた。
「あの、何人くらいいるんですか?」
「一応全員に声をかけたんだけどね?
たぶん十人くらいじゃないのかなあ。」
多すぎても困るからな・・
「おーい、みんな。」
そこにいたのは・・・7人か。
まあ、ちょうどいい人数かも。
「おう、お前がか。」
後ろから声がする。
振り返ると、軍服姿の少女。
「おう、ナウス。」
彼女はロボット(ワイズさん)の呼びかけに応じずにこちらを見ている。
「ミ、ミーンワイルです・・」
彼女は三秒以上真顔でこっちを見つめ、ため息をついて僕らを追い越し、
「もっと心情は隠してくれ。
じゃないと踏みつけてしまいそうになる。」
「・・まあ、緊張するなってことじゃないかな。」
ワイズさんが慌ててそう付け加えるが、あまりにもそういう訳じゃない気が・・
「おう! ミーンワイル! こっちだ!」
その男を見ると、僕の不安な心が50%OFFぐらいされた気がする。
「エフォードさん・・もう大丈夫なんですね?」
「おう、ごめんな! あの後約束してたのに」
「いや、そんな。 天命は仕方ないですし・・」
「うーん・・」
彼は少し言いたげに頭をかく。
「?」
「いや、実はあの後お前に『リーダーはみんなを守るべきだ』って言われたからよ、天命をこなした後にアイツ、スミレっていう天使に会いに行ったんだ。」
「エフォード、君はまだ諦めていなかったのか?」
ロボットはエフォードに向き近づいて、彼の顔にのぞき込む。
「それで散々痛めつけられ、挙句足をもがれたのか。
・・・ハァ、腑に落ちたよ。
正直あの程度の天命で満身創痍な君は、もう替え時かと思っていたが。」
「勝手に見限ってんじゃねえぞ、ワイズ。
なんだ? 長く生きてりゃ暇で仕方なくて、そんな無駄なことまで思いついちまうんだな。」
あれっ、ちょっ、この二人仲悪いの・・?
「クフハハハハハ! まあ、続きは後にしよう。
ミーンワイル。 もう今さらって思うだろうけど、紹介するよ。」
ロボットはエフォードさんの隣に立つと、
「この不良みたいな奴が、俺たちのリーダー。
『62代目 指導者の天使 エフォード』だ。」
不良と言われロボットを睨んだ男はこっちを向いて、
「エフォードだ。リーダーという立場だが、あまり考えずに色々頼ってくれよ。」
ロボットは僕らが握手をしている間に、食卓に近づいて、
「次は、『66代目 表現者の天使 イグノー』。」
彼は何かスケッチをしながらスムージーを飲んでいて、こちらに気づいていない様子だったけど、
自分の名前が呼ばれたからか、
「わ、わわっ! な、なにだ!」
「なにだじゃない。ミーンワイルに挨拶するんだ。」
「あっ! ぼ、僕はだ、イグノーだ! よろしくだ!」
彼はペンとノートをを置いて手を握ってきた。
「うん。よろしく。」
「ふん、男同士でイチャイチャすんなっての。」
「ちょっとアザちゃん、今は・・」
「アザナ。君の番はまだなんだから少し待っててくれ。
自分の紹介の文章を忘れてしまうのが怖いというのは、分かるがな。」
「はあっ!?普通にできるわ!」
「・・ミーンワイル、彼は『12代目 陽気の天使 ウィーク』だ。」
「よっ、よろしく。」
彼は立ち上がると、この場の誰よりも背が高く、足がすごく長い。
「よ、よろしくです・・」
これは、180以上は余裕であるかもな・・
「スタイルいいだろ、俺。」
「えっ、ああ、はい」
「ハハッ センキュ。 ま、これ以上話してたらまたアイツが嫉妬するからな。」
そういって僕の頭を、ポン と叩いて食堂を出ていく。
なぜか少し照れたようなミーンワイル。
それを見たイグノーが必死にノートにかぶりつき、描く。
「まあ、次はギク。」
「どうもー・・っておい!ちゃんと全部言えよ!」
「『16代目 回復者の天使』だ。」
「回復者・・?」
「まあ、分かんねえよなー・・、うりゃっ!」
ガン!!
彼女は長い杖でロボットの右腕を力いっぱい打ち付ける。
しかし、何も異常は無いように見え、
「ギク。 いきなりどうした?」
「そこは壊れろよ!」
「ああ、そういうことか。」
そう言うと、ロボットは左手で右腕を握ると、
ギギィュリィッ!! ブチッ!
と多くの電線や部品を破壊してブランとした手を机に置いた。
驚いたミーンワイルと、
「ちょっと! お皿に変なの入っちゃうじゃん!」
と皿をどけるアザナという少女。
「ちゃんと見とけよー、『ちょっと前までのワイズのロボット』!」
「う、・・うおお・・・おいっ」(ワイズ)
まさかの右手、ではなく本体の方が光の粒子のようになって変形して、右手の分断面と接すると、
みるみるうちにそこから元のロボットが形成されていく。
「す、すごい・・」(ミーンワイル)
「だろ!まあ、こういうのならドロエより上だからな!」
「わざとやりやがったな。 吐くかと思ったわ。」(ワイズ)
「吐けないからいいじゃんか。」
「まあ、次だ。 また次も次で・・・」
「ミーンワイル! 私は『』・・あれ?いくつだっけ?」
「51だろ。」
「あ!そうだった、かも・・そうそうそれでね!『51代目 忘却者の天使 アザナ』よ! よろしく! 」
「はい!、よろしくです。」
「やっぱこんな子がいーなあっ」
「えっ」
まあ、褒められているのは分かるが。
普通初対面はこういう感じじゃないか?
「もう、いちいち含んだ言い方をするなよ。
ミーンワイル君、アザナが言いたいことは君を信頼するってことだよ。
まあ、君の前のミーンワイル達は少しばかり野蛮だったし、面倒だったし・・ね?」
ああ、なるほど。
「後は、ユナーだね。」
「やっほー、前はごめんね。急に取り乱しちゃって」
赤毛の髪をねじりながら、目線を下に話すユナー。
「い、いえ、僕もあの時突っ立ったままでしたんで・・」
「うう~ん・・」
彼女は少しは愛想を振るが、少し顔をしかめる。
自分今、何かおかしいことを言ったか?
「もう敬語じゃなくていいんじゃないの~?」
「へ?あー・・、ユナーさんがいいなら・・」
「全然いいよ!」
ロボットはそれを見て、無表情で(顔なんてないが)そこを離れると、
「ああ、おまたせ。 どうだったんだ?
そうか。 ああ、まだ何もするなよ。
うん?
そうだ。 準備はしてくれて構わん。こっちからも手配はするが多くて困ることは無いだろう。
なんせ、一帯が破壊対象だからな」
本作品を読んで頂きありがとうございます。
次回も応援よろしくお願いします。
キャラクター紹介
ー天使ー
ミーンワイル(元名:○○○) 大衆の天使 499代目
本作の主人公。
17歳と若いために青年の姿。
奇跡:受けたダメージを犠牲と入れ替える。
通常の攻撃魔法、防衛魔法。
捧げた細胞の量で規模が変わる。 ※身体の回復には大小関わらずかなりの犠牲が必要
犠牲:自分の細胞
ワイズ 天才の天使 2代目
天使たちの司令塔や相談役。
年齢不詳。
普段はロボットを通じて活動。
「ウルチン」という奇怪なハリネズミのバケモノを飼っている。(1000年以上生きている)
老衰・餓死・病死は不可能。
奇跡:不明
犠牲:不明
デフォン 偶像の天使 19代目
金髪の可愛らしい女の子。(ここだけの話、23歳)
奇跡:不明
犠牲:不明
エフォード 指導者の天使 62代目
天使たちのリーダー。
天命以外の普段は、白いトレーニングウェアを着ている。
両方の髪を刈り上げていて、かなり大きな六芒星のピアスをしている。
首や胸元、肩には白いタトゥーが彫られている。
奇跡:不明
犠牲:不明
ユナー 欠落者の天使 37代目
たまーに、天命で出動する。
赤毛の女性、眼鏡にこだわりがあり、コンタクトをしてわざわざ伊達メガネを付けることも。
ここだけの話、29歳。
奇跡:不明
犠牲:不明
ドロエ 杏林の天使 9代目
天使たちの救命担当。
袖がタンクトップ程短く、丈がウェディングドレス並みに長い白衣を着て、中はほぼ100%白いレース でできた下着を着用。
彼女は下着が大好きなので、様々なタイプを着用(すべて白いレース)
もも下は白いストッキングで常に裸足。
奇跡:不明
犠牲:不明
ペナ 喪失者の天使 40代目
天使の中でも最高級の実力者。
俗界では白い仮面をしている。
白いフード付きの短いマントをして、黒を基調としたロリータ風の軍服を着ているため、天使たち以外には女だと思われている。
本人はこの恰好をあまりよく思っていない。
背中にくそでっかい大剣を背負っているが普段は腰に差した中小サイズの剣を使う。
奇跡:不明
犠牲:不明
ウルメティー 熟年者の天使 22代目
奇跡:不明
犠牲:不明
ナウス 指揮官の天使 13代目
身長145㎝。
白い軍服、青い装飾が特徴。金の六芒星の紋章がいっぱい。
軍帽と銀髪のショートヘアが似合う。
短パンで黒いタイツ、白いデカい軍靴。
奇跡:不明
犠牲:不明
スミレ 浮浪者の天使 70代目
奇跡:不明
犠牲:不明
イグノー 表現者の天使 66代目
白いダウンのジャンパー、袖が長くて太いため、塗料などで汚れている。
下は短パン。
口癖:語尾に「~だ」
奇跡:不明
犠牲:不明
ウィーク 陽気の天使 12代目
白いダウンジャケットに真っ白のTシャツ、白いタイトな長ズボン、白いスポーツシューズを履いてい る。外に出る時はいつもサングラス。
奇跡:不明
犠牲:不明
ギク 回復者の天使 16代目
白く短い長そでの革ジャンに、胸元が開いた赤いニットシャツ、白いベルトと白い革のズボン。でっか いネックレスをつけている(色んなマーク)。
髪は青紫、白色、黒色が混ざった感じ。
銀色と白色がねじれた、先が天使の羽が三対の杖を持っている。
奇跡:自分(執行者)が知る元の形に戻す。
犠牲:不明
アザナ 忘却者の天使 51代目
忘れん坊。
奇跡:不明
犠牲:不明




