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最後の春に君と  作者: 美咲
第六章
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桜咲く卒業式


卒業式の朝。


桜のつぼみが綻び始めた校庭で、私は一人で空を見上げていた。雲一つない青空。拓也が好きだった空の色。


あれから三か月が過ぎた。でも、まだ彼がいなくなったなんて信じられない。いまだに部室に行けば彼がいるような気がしてしまう。


「桜井さん」


振り返ると、担任の田中先生がいた。


「式の準備はいい?」


「はい」


私は制服を整えて立ち上がった。


体育館で行われた卒業式。私の名前が呼ばれて、壇上に向かう。卒業証書を受け取りながら、隣に彼がいてくれたらと思わずにはいられなかった。


席に戻る途中、窓の外を見ると、桜の花びらが舞っているのが見えた。まるで拓也が「おめでとう」と言ってくれているみたい。


式が終わって、みんなで記念写真を撮った。でも私の心は空虚だった。一番大切な人がいない卒業式なんて。


その夜、私は彼との思い出を原稿用紙に書き始めた。桜舞う出会いから、雪の夜の別れまで。全てを残しておきたかった。


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