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ラベンダー

作者: 柚憐

初投稿です。

拙いところも多いかと思いますが暖かい目で見て頂けば嬉しいです。

「いつまでも、居てくれると思ってた」


口から零れた。言ってはいけない言葉。


「ごめんね。」


彼女が言う。意味のない言葉。

そんな風に謝ったところで、君は行くんだろう。

僕が君を引き止めないためにどれだけ必死だったか、心を押し殺したか知っているくせに。

君の前で泣かないだけでも褒めて欲しいくらいだ。

涙をこらえるために、下唇を強く噛む。強く、強く。


「そんな顔しないで。今生の別れって訳でもないんだから。」


でも僕は分かってしまった。今ここで別れてしまえば、彼女に会うことは今後一切叶わないんだと。

しかし、僕に引き止めることは出来ない。出来ないんだ。

彼女の決断を揺るがすことは、許されない。僕が許さない。


「また、会えるよね」


無駄なことを聞いた。

でも、聞かずにはいられなかった。


「大丈夫、会えるよ」


嘘だ。君だって、分かってるんでしょう。

そんなこと、一言も言えないまま、時は進んでいく。

僕がなにも言えないまま、時間が過ぎて。

ついに、君が行く時間になった。


「いってきます。」


笑顔で、君が言う。


「いってらっしゃい。」


言いたくなかった。

でも、君のそんな顔を見てしまえば、そんなこと無理に決まってる。

だから僕は待ってるよ。


君の好きだったラベンダーの香りが残る、この部屋で。

ただ、君の帰りを待っている。

最後までご覧頂きありがとうございます。

良いと思っていただければブックマークなど評価をいただければ幸いです。

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