カースト・ゲーム
私が実際に見た夢に話を加えた内容が今作です。話が長いので途切れでエピソードを更新していきます。
何処か切なく、子供を終え青年らしい情熱から離れ実った青い情熱へと変わる青年の決闘。
今日もこれで終わる、内職をしながら見る授業はあまりにも退屈で生きているのが辛くなる。
ただ内職は楽しい。理科と数学をこの頃やっているが、特に数学が面白い。数を解いた分だけ時も解かれてゆく現実が自分がいて良いと思えるからだ。
(古文なんてやってられるかよ、とにかく定義定義)
ただこの頃、同じ教室で自分と同じような人間も内職をしていた事に気づいた。そいつは文転、理系か文系でクロスしお互いに別れた身で志望大学も同じ。一年生の頃から同じクラスメイトで成績も同じで偏差値の全体で見れば同じ。似た点で出来た線でお互いを結んでいる運命を感じているが話した事は一度もない。
「おい...理転やろう、古文から逃げるな...」
「...うるせぇ、話かけんな、バレたらどうすんだよ...お前もやりたきゃ内職しろよ」
生まれた病院も同じ誕生日も同じ、本当に自分が二人いると錯覚しそうなぐらい一緒だ。運命という言葉は
交わるとは思えない物が交わっていく事だと思っていたけど、今は交わりそうな物が交わらないと言う物も運命だと気が付いたんだ。
—キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムが快晴の空に音を巡らした。
使っていた本を閉じて、授業を終えいつも通り昼ごはんを持って食べて友人と木の下で青を嗜む。
「なぁ、お前さ、前付き合ってた氷見について面白い話を聞いたんだけさぁ」
「なんだよ、それはもう終わった話だろ。ハグぐらいで終わったの、まだ後悔してんだよ...」
「釖金 宗谷」中学からの仲で、いつも調子に乗ってるが意外にも賢く隣の市にも友人がいる馬鹿でかい顔を持っている奴。ただ他人の失敗が好きで人の失敗一年ぐらい擦る最低な部分もある。
「オレのダチが言ってたんだけど氷見は男なんだってさ...w お前ネカマされてやんのw」
「冗談はよせって...もし男だとしてもここの女子より可愛いぞ。まぁ可愛いきゃ誰でもいいだけどさ」
「まぁこれも多様性ってか•••いいご時世だな•••よし、先に戻ってるわ」
—サァァ
秋風が吹く、この戻れない風、思い出深い夏が消えた事を知らせる為にだろうか。
だとしてもこの風は僕が自分の道を自分自身で成長するこの季節を風が支えてもいるのだろう。
「•••うん、いい風だ。米がちょうどいい濡れ具合にしてくれる、ベチョベチョじゃない米」
いい感じに外はパリッとした日の丸弁当と一気に平らげる。シンプルが一番美味い、何をするにも基礎、ベースをちゃんとした上での応用、すなわち料理が合って食も物事も上手くなる。
「ふぅ、食った食った。 さぁ戻って物理だ」
弁当を片付けいつもの教室へ、一歩一歩、平和な廊下を歩いて教室へ、また自らの進路を進む。