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序章 第二話 始まりの閃光
世界は変わる。
銃弾や砲弾が飛んできたわけではない。
空爆でもないし、戦闘機も飛んでは来なかった。
ただ一瞬の、たった一瞬の閃光が俺たちを死へと追いやった。
その罪を誰も咎めることはできず、裁くこともできない。
奴らは「神」と名乗った。
神の名のもとに、救済の名のもとに奴らは抜かりなく俺たちを死へと追いやった。
これは慈悲なのだろうか。
間違え続けた結果なのだろうか。
荒野を一羽の鳥が駆ける。
その嘴には骨が咥えられている。
黒い夕闇が空を包む。ああ、もうじき総てが終わる。
為す術も無く世界は一度、ゼロに戻る。帰るのだ。
浮かれた平和は崩れ、再び闘争の繰り返される明日なき日々へと。
希望や願いは風に溶け込んで、もう帰らないのだろうか。
だが、神は再びチャンスを与えて委ねられた。
4つの集落を世界に創ったのだ。
とても小さな集落を4つ。
ここからまた、繁栄とその歴史が始まっていく。