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467.神を殺す為に

短いです。


何故か投稿できてなかったです。

申し訳ありません。



巨大な剣が幾つも降り注いでくる。大剣とかみたいな意味じゃない。文字通り言葉通り小山のような大きさの剣が幾つも幾つも落ちて来るのだ。落ちた剣は大地を砕きその下の岩盤まで捲れ上がらせそれだけでは飽き足らず衝撃波で辺りのものを根こそぎ吹き飛ばしていく。何百年も掛けて育ったであろう大木がただの衝撃波で根元から抉れて粉砕されそれもまた私への攻撃となって降り注ぐ。

ミリは上空から一方的に剣や槍を創り出しては投げ付けてくる。能力的に恐らく創造に特化した神様なんだろうなとは思う。いや思いたい。これがただ手加減してるだけで実際は戦闘特化で近接戦の方が強いとかだと洒落にならない。

ただ例え創造に特化した神様であろうとその膂力は人には敵わない。さっき切り結んだ感じだとまともにやり合えばすぐに力負けするであろう事はよく理解出来た。とはいえこのまま逃げてばかりもいられない。攻撃しなければ勝てるものも勝てないから。

だが攻撃しようにも近寄れない。無数の矢、無数の槍、無数の剣、武器庫か何かなのかと問い質したくなるほどに理不尽なまでの数の暴力。隙間が一切存在しない馬鹿げた迄の量、それに合わせて火力も高い。

「……そこぉ!!」

私が隠れていた場所を的確に見付けてミリが斧を投げ付ける。勿論持ち手だけで人の身長を軽々と超えるような馬鹿げたサイズの斧だ。刃の部分だけで私の身体を真っ二つにできるだろう。

「ぐっ!」

避ける、隠れる、避ける、避ける、避ける、隠れる、たまに攻撃、かすりもしない。

さっきからこれの繰り返しだ。隠れた瞬間だけはミリも見失っているのにその数秒後には見付けてきて持っている武器を投げてくるから息をつく暇もない。

獄炎(ゲヘナ)ぁ!!」

放った魔法はいつの間にかミリが付けていたマントのようなもので払われて消え去る。そう簡単に消える魔法じゃないんだけどね。

「あはははははは!!!その程度かい!?スイ!なら早く僕のものになってよ!ねぇ!」

テンション高く私の隠れている場所を爆撃、そう爆撃だこんなもの。一撃一撃で身体が浮き上がる程の衝撃を叩き込んでくるやつは攻撃じゃない。爆撃だ。

夢幻(ファンタジア)

煙に隠れるようにして魔法を使う。今のうちに移動を……。

「そこだぁ!!!」

ミリのその声に反射的にその場を飛び上がる。けれど少し遅く脇腹に凄まじい激痛と共に剣が肉をこそげ落として吹き飛んでいく。

「あぐっ!?ぁぁぁああ!!転移(テレポート)!!」

血を吐きそうになるけれど即座に転移する。次の瞬間その場に無数の剣が叩き込まれた。半秒遅ければ当たって死んでいたのは間違いない。いやミリの事だ。死にかけても何故か生きているみたいな状態にすることも可能なのかもしれない。が、それを確かめるつもりはない。

「はぁ……はぁ……ん、はぁ……はぁ……」

お腹に手を当てて回復させる。土煙が酷いからか流石にまだ見付かってないようだがそう時間も掛けずに見付けてくることだろう。そもそもどうやって私の場所を感知しているんだろうか。最初は間違いなく見失っているのにいきなり見つけて来るのだ。背後に居ようが何かに隠れていようがお構いなくだ。

「……はぁ……はぁ……!?お前かぁ!!」

息を整えていたらどこからか視線を感じた。咄嗟に其方に向けてグライスを振るう。飛んで行った斬撃は見えない、消えている何かを切り裂く。そして断末魔と共にこちらに飛来する数えるのも嫌になるほどの馬鹿げた量の武器群。

転移(テレポート)!」

慌てずに転移する。少し離れた場所で見ると潜んでいた場所が爆心地のようにクレーターになっていた。

「あははは!!凄い、凄いよ!スイ!唄天使(クロスタ)を見付けるなんてさ!!あれ作るの大変なのにさ」

やっぱり先程のものに監視させていたのだろう。どうやってかは知らないしそれがあと何体居るのかも分からないけれど少なくとも今私の近くには居ないと思う。

でも時間が経てば見付けられてまた同じことの繰り返しだろう。ならば仮初でも時間が稼げた今一気に攻勢に出るべきなのだろう。

手持ちの攻撃を確認しよう。生半可な攻撃や魔法はミリに通用しないとみていい。獄炎(ゲヘナ)ですらマントの一振で消されるのだ。勿論あのマントに効果があるのだろうがそれでもそれを被っているミリに魔法でのダメージは期待出来ない。出来るとするならばただの目眩しか。

グライスによる断裂。これは恐らく通用する。ミリが防いだというのが何よりの証拠だ。混沌、これもまた通用するだろう。三神とミリのどちらが強いかは分からないが仮にも神である三神達がイレギュラーであるとする混沌は神にとっても致命の一撃を与えられる事だろう。

娘達、正確にはジズの本体のように私の娘として生まれていない方だ。だがこちらは期待出来ない。さっきジズが本体を出す許可を得られたのはミリという神からの呪いによる攻撃という干渉があったからこそだ。今は無理だろう。

最後、不確定だが外典、生逆の理。これは正直良く分からない。いつの間にか当たり前のように使っているが私はこんな魔法?を作った覚えも無いしこんな難解すぎて一部すら理解出来ない意味の分からないもの作れない。十中八九名も無き神からの借り物、もしくは贈り物なのだろうが全容が理解出来てないし神に対して有効なのかもそもそも何が出来るかも知らない。一応候補として入れるだけだ。

候補にも入らないが私と娘の魔力を全使用して爆弾化というのがあるけれど使ったら最後死ぬ。使うわけが無い。論外である。しかもミリが死ぬか分からないし。

「……厳しっ」

思わず愚痴った。神と相対するというのになんという手札の少なさ。本来ならもう少し有効打を与える技や魔法もあったのかもしれないがここは残念な事にミリの世界でミリの攻撃で世界が滅ぶことはほぼないけど私の本気には耐えられないのだ。つまりまともに抵抗出来ない。しかも今はまだ使われてこそないけれど世界に備わる選択肢を出すというのもミリは使える。

「詰んでるなぁ……」

私はそう呟きつつも頭の中で必死に組み立てていく。神の身に届かせる一撃の為に今使えるものを繋げて繋げて……

「あはっ♪」

繋がった。

ミリ「どこかなー?」

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