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421.アイザックとの話し合い

今更ですがPV数が累計100万超えていたことに気付いたので来週投稿日の朝10時に活動報告にて閑話投稿予定です。


いつもお読み頂きありがとうございます。

これからもゆるりと投稿していきますのでよろしくお願いします。



「んぐ……かったい」

塊肉をハーブか何かで味付けしている物を食べているのだがかなり硬い。ただ噛み切れた時に感じる肉汁と肉そのものの味、ハーブと恐らく果物ベースのタレが絶妙に合ってて物凄く美味しい。ただひたすらに硬いけど。何なら噛み切るまではそんなに美味しくないけど。

「不思議。普通噛んでるだけでもそれなりに味を感じるはずなのに噛み切らないと美味しくない。凄い。でも二個目は要らないなこれ」

一応面白いから十個ぐらい塊肉を買ってはいるが多分食べるとしたら私以外の誰かだろう。美味しいけど他にも美味しいものはあるしね。ちなみに塊肉の大きさは私の拳二つ分ぐらいである。

「こっちのジュースは……果肉がかなり入ってるな。ジュースというか冷たいし少し冷やしたらシャーベット化しそう。まあ美味しいけど普通のジュースかな」

色んな屋台で買い物してるけどお金を持っていない私が買えているのは私の後ろを着いてきている三人組のお陰だ。主にべレドという名の男の人が支払ってくれている。それを幸いに買い漁っているのでそろそろ財布が厳しそうだ。まあ私は一番偉そうな人にお金無いからって言って宝石渡したからその代金分ぐらいは別に構わないだろう。別に追加で渡す事も出来るし。

というか一応私という魔族が街に来たというのに屋台の人達お金をしっかり貰うってちゃっかりしているなと思う。普通緊急事態ってなったら後からお金を請求するならまだしも今は請求しないものじゃないのかな。

「そろそろ話をしても良いか?」

偉そうな人というか実際偉かった人のアイザックが話し掛けてきた。アイダという名だった女の人はその言葉を聞いて緊張しているしべレドも少し身体に力が入った。

「別にいつでも話しかけて来ても良かったよ?」

私は話すなとか言ってないしただ街に入れさせてもらえるのか聞いただけだ。お金だって宝石位しか渡せないからって言ってあげるから代わりに払ってと頼んだだけだ。

「そ、そうか。なら……そこの店にでも入ろう。外で話すような事でもないだろうしな」

そうして指した店はお洒落な外観の落ち着いた雰囲気の店。喫茶店のように見えたけど中に入ると個室があってどちらかというと居酒屋とかに近いかもしれない。アイザックは店の一番奥の個室に入ると店員に水と軽食だけ頼んで椅子に座る。店員が人数分の水とサンドイッチみたいなものとクラッカーみたいなものを置いていくとアイダが懐から四角い箱のようなものをテーブルの上に乗せて魔力を流すと結界のような物が張られた。

「防音の魔宝具だ。外からの声は聞こえるが内側の声は聞こえない」

「そう、言ってくれたら結界ぐらいなら張ってあげるのに」

まあ今は友好的に話していても一応この世界だと敵対種らしい魔族の結界なんて張らせたくないだろうけど。実際私の言葉を聞いたアイザックは苦笑を浮かべたし、べレドとアイダは顔を少し強張らせた。

「それで何の話がしたいの?貴方の期待に添えられるとは思わないんだけど」

そもそもこの世界の人と魔族がどういう関係なのかまるで知らないのだ。色々と説明されてもよく分からないだろう。

「そうだな。手っ取り早く聞こう。君はどうしてここに?」

「ん〜?質問が抽象的過ぎて何が聞きたいのか良く分からないけどそもそも私は貴方達が思う魔族じゃないからね?」

「……?どういう事だ?」

「私この世界とは違う世界から来た魔族だから。だからこの世界の魔族のことなんか何も知らないし貴方達人?との関係も知らない。それにこの世界に来たのは今日だからね。何も知らないよ。あ、後街の外に岩の塊放置してるんだけどあれ誰か抜けないかな?土台ごと持ってきたんだけど引き抜けない剣と変なネックレスがあるんだよね。面白そうだから貰いたいんだけど」

「……違う世界の魔族?今日来た?岩の塊?」

アイザックが首を捻る。可愛い女の子がやるならともかく三十後半か四十前半の男性の首傾げは全く可愛くないどころか普通に気持ち悪いな。あ、アイダも同じような動きをしてる。そっちは可愛いな。

「まあ別に無理に理解しなくても良いよ。とりあえず人を無闇矢鱈に殺すつもりは無いってことだけ覚えておいたら。あ、そうだ。この世界に急に現れた種族、もしくは物ってある?私の目的ってそれの排除なんだ。別に協力されなくても自力で探せると思うし知らなくても良いんだけどね。目安にするだけだし」

知っているなら探すのが少し楽になる程度だから別に知る必要は無い。何ならこの世界を全力で走り回るだけで目的のものは見つかりそうだし。ただやたらと走り回るのは普通にしんどいからやりたくないけど。

「急に現れた種族、物か。魔族だったら排除してくれるのか?」

「魔族が急に現れた種族なら排除するよ。この世界から追い出すことになるか殺すかは知らないけど。ちなみに一応貴方達は調べたから良いけどもしも人が私の探す異物なら排除するからね」

私の宣言にアイザックが固まるがすぐに復活する。

「そうか。分かった。あぁ、それと多分魔族は異物?とやらでは無いと思う。魔族の存在は五千年以上前から確認されているからな」

「ん?年月は多分関係無いよ。急に現れたかどうかだから」

「そうなのか?それなら……いややっぱりそれでも魔族も人も多分大丈夫だと思う……思いたいな」

「そう。まあ良いや。物は?」

「偶にダンジョンからドロップする不思議な物を異物と言うなら異物になるが……そうだとすると相当な数になるぞ?」

「一応調べようかな。ダンジョン?っていうのは何処にあるの?」

「この街にも二つのダンジョンがあるが他のダンジョンもとなるとそれこそ大陸中に幾つもあるぞ」

ダンジョン。地球で生活した時に娘達を生み出す過程でゲーム等も調べたお陰で何となくではあるが分かる。不思議な洞窟で魔物を生み出したり宝石や鉱石も生み出す。魔導具も出すし剣や盾も出す摩訶不思議な場所だ。

色んな設定?とやらで建造物型の魔物であるとかそういう世界の理であるとか色々あったけどこっちではどうなのだろう?いやまあ何であろうがどうでもいいけれど。

「じゃあその二つのダンジョンから見ていこうかな。案内お願いしても良い?」

「ああ……一応念の為にもう一度だけ訊いてもいいか?」

「ん?」

「気を悪くするかもしれないが……本当に人を殺すつもりは無いんだな?」

「無いよ。異物じゃないなら排除の必要なんて無いし。異物であっても最初は追い出そうとしてあげる。して抵抗されたら殺すけど」

「分かった。ダンジョンには何時行く?」

「ん〜、もう暗いし明日の昼からで。適当な宿に案内してくれる?」

「べレド頼む」

アイザックの言葉にべレドは少し嫌そうに顔を顰めるがすぐに頷く。とりあえずこれで宿と当面の目標を定めた。後はどうなるかな。

スイ「べレドって三人の財布役だったりする?」

べレド「……いや違うが」

スイ「そっか。お疲れ様」

べレド「……ああ」

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