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99.レクトの屋敷

短いです。



「お礼か。それを使ってくれても構わないけどこれくらいの事じゃ別に必要無いよ。兵士の皆さんこの方は私の知り合いです。危険はありませんのでお務めにお戻りください」

有無を言わさぬといった感じでレクトが兵士達に告げる。その後ろで聖騎士達が少しの威圧感を出す。兵士達は何か言いたそうではあったが結局は何も言わず敬礼をして居なくなってしまった。

いや確かに実力的にも居てもスイの邪魔をすることすら出来ないだろうが高位の権力者であろうレクトを残して行くのはどうなのだろうか。いや逆か。高位の権力者からの実質命令だから逆らえないのか。

「レクト良いの?確かに状況を変えて欲しいとは言ったけど……」

「大丈夫だよ。それにスイなら分かってただろう?私が君を信用している理由くらい」

「え?」

「ん?」

レクトが私を信用する理由?何だろうか。船でのやり取りを既に知っていたりするのだろうか?

「あ、あれ?初めて会った時に魔導具を使ってたんだけど気付いてなかった?」

魔導具、そんなの使っていたのか。しかしどういう効果なのだろうか。良く分からない。

「あっ、気付いていなかったのか。使っていたのはこれだよ。夢叫びっていう魔導具なんだけどね。効果はんー、分かりやすく言ったら真偽判定なんだけど悪意の有無とかも分かる物だよ。まあ複数の効果が付与された人を見定めるための魔導具だと思っておけば間違いないよ」

「へぇ、便利そうだね。私はあまり要らないけど」

成る程、しかし人族にも割と高性能な魔導具を作れる者が居るのか。ヴェルデニアによって完全に居なくなったと思っていたのだが。

「そうだろう?クライオンというエルフの人が作ったんだよ」

クライオン……うん、とりあえず自重しろと言いたい。異界の攻略に魔物、植物、動物図鑑に魔導具製作、世界に理の追加などちょっとやりすぎじゃないかと思わなくもない。まあマイナスになるようなことはしていないし良いのだが。

「へぇ……もしかして渡された魔導具ももしかしたら作ったやつもあるのかな」

「ん?どういうこと?」

「あぁ、クライオンに獣国で会ったからね。そこで色々としてもらったんだよ。その時に魔導具を渡されたの。手に入れたけど使わなかったって言ってたけどもしかしたらって思っただけ」

そう言いながら指輪から出そうとしたのを止めるレクト。この場で出すのはどうかと思うのでレクトの屋敷に向かうことになった。



「というわけでなんだよ」

「いきなりなんだい?」

何となくやらなければいけないと思ってやってみたがレクトには通じなかったようで不思議そうな表情を浮かべられる。特に何も無いのでそんな気にしないで欲しい。恥ずかしいから。

まあそんなやりとりをしながら普通に今までの事を話していく。帝都で拐われたこと、獣国で首都に向かうとクライオンに会ったこと、そこで異界、深き道を攻略したこと、行商人に扮していた兵士達と出会い船で帰ってきたこと。全て話すとレクトは考え込んでしまった。

「まあ私の事情はそんな感じだよ。とりあえず私からも聞きたいんだけどレクトって明らかに高位の権力者だよね?」

「ん?あぁ、そうだね。この国においては高位だね。そうだね。自己紹介し直そうか。えっと、私の名前はレクト・リヅ・オルテンス。法都へラムの中央神殿でまあ最高の位である法王の位を頂く者だよ」

まさかの最高位でスイが一瞬混乱してしまったのは仕方ないと思われる。誰があんな所で馬車を探していると思うのだ。

「……そっ…かぁ。うん、なら私も。えっと、私の名前はスイ、魔王ウラノリアと北の魔王ウルドゥアの娘にして魔国ハーディスの正統なる後継者、私自身も魔王と呼ばれる魔族です」

驚いたので仕返すようにスイも名乗りをあげる。その狙いは上手くいったようでレクトが目を見開いている。それと同時に何故か付いてきていたレア達が驚いている。

「というかレアは何で居るの?ここ一応レクトの家でしょう?」

「正確には別荘だね」

「当然護衛だが?」

「……勇者」

「勇者?レアが?……ふ、ふふ」

ボソッと呟いたスイの言葉に気付いてレアを見て思わずといった感じで笑うレクト。それに対してレアは顔を赤くしながらも否定はしない。まあ実際に呼ばれていたわけだし否定が出来ないのだ。ちなみにそう呼んでいたレインは顔を赤くしながらもスイを睨み付けてくる。スイは微笑んで無視をする。

「まあそこの勇者(笑)はどうでも良いや。それよりそんなに高い位の人があんな簡単にこのコインを渡して良かったの?」

「良くないよ?」

何を言っているのかと言わんばかりの態度で否定された。

「じゃあ何で?えっと夢叫びを使っていたとは言えどうして?」

「えっと……ま、まあ色々と理由があるんだよ」

ただスイとの出会いをあれ一回で済ませたくないと思って渡しただけなのだがそれはあまり言いたくない。しかしそんな理由で渡すとは確かに理由としては弱い。そこまでスイに惚れ込んでしまっていたのだろうか?まあそこまで気にすることでもないか。

スイからしたらそこまで深い理由があったわけではないと分かったので少しだけ安心する。スイにとっては比較的レクトの感情を読みやすい。気を許されているからというのもあるだろうが。

「ふぅん、まあ良いか。私からしたら助かったしね。ありがとうレクト」

少し微笑んで言うとレクトは少し見惚れた後顔を赤くしながら頷く。まあこれだけでレクトがスイのことを好意を持っているというのが良く分かる。当然だがスイじゃなくても分かりやすい。

「おや?お客さんかな?」

レクトの後ろからふと一人の男性が現れてくる。いつ現れたのか分からなかったがそれ以上にスイはその男性を見て顔を蒼褪めさせる。スイの事を知っている者からしたらどうしたのか心配になる程だ。

その男性は美形ではあるが決して嫌味にならない程度であり美しい紫紺の瞳、光を吸い込むような漆黒の髪にメッシュのように白い髪がある。身長は大柄な男性が多いこの世界においてはそれほど高くはない。地球基準で考えてもそこまで高くはないだろう。およそ百七十センチ中盤といったところか。

美形が多めのこの世界においては埋没まではいかないがそこまで目立つわけでもないその男性にスイは本気で怯えていた。その紫紺の瞳で見られた瞬間スイは死の瞬間を幻視した。息が詰まり汗を流して震えそうになる身体を気合いで押さえつけた。

「あぁ、申し訳ない。そこまで怯えなくても大丈夫だよ。もう私にその気はない」

二人だけに伝わる状況にレクトが少しむっとしたのか抗議の声をあげる。

「知り合っていたのですか父上?」

「いや知りはしないよ。【だけど知る必要はない】」

「そうですか。分かりました」

あまりにも不自然なその態度の切り替えに何らかの精神に関して魔法を掛けたのだと理解したスイはその男性を見る。

「警戒しなくても良いよ。ただ深く追求出来なくなっただけだ。私達の会話はあまり知られたくないだろう?」

そう言った男性はレクトとレア達にのみ聞こえるように呟くとスイを残して全員部屋の外へと出て行く。

「さてと、何から聞きたいのかな?全て嘘偽りなく答えることを約束しようじゃないか。代わりに君の目的も聞かせてもらうけれどね」

そう言ってこちらを見る男性。その瞳に見つめられたスイは少しの怯えを隠そうともせずに見つめ返す。それに満足そうに頷くと何処からか出したクッキーやお茶を机に置く。

「まず最初に聞きたいのは……どうして、人族の神アレイシア様が此処にいらっしゃるのですか?」

スイ「ドキドキ」

アレイシア「ニコニコ」



遠く離れた場所で

アルフ「なんかイライラする?」

ジア「だからって僕に対して模擬戦で苛烈になるのはやめてくれないかなぁ!?」

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