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第3話 運命を変える

「少年の命を奪わせないことだ。そして運命を変えること。」



~これは敦が一回目の中学校生活の時の出来事である~


敦のクラスにある1人の少年がいた。その少年はとても真面目でまさに『優等生』であった。

「典男!のんびりしてないではやく塾に行かなきゃ遅刻しちゃうわよー。」

「今予習終わったとこ。すぐに塾に行くよ。」

その少年の名は鈴木典男である。中学に入学してからはじめてやることになる中間テストでは5教科平均97点というとんでもない点数を叩き出した少年である。

「今日も塾頑張らなきゃなー。」

その日も典男はいつも通り塾に行き真面目に勉強していたのである。




時刻は22:00分。典男はこんな夜遅くまでも勉強をしていた。

「帰るか。」

典男はいつものように夜の暗い道を歩いて家に帰っていた。その時

「あっ?!?!!!」

後ろから不審者に襲われた。それもただの不審者ではなく麻薬中毒者だ。典男は通り魔事件に巻き込まれたのだ。

「ぐはぁっ」

声にならない叫び、ついに典男は刺された。

「ひぇー!!!!!!!」

通り魔の犯人は、ただただ発狂してその場を去っていった。その犯人は数分後近くを徘徊していた警察官によって逮捕された。典男は警察官に発見されすぐに救急車がきて病院につれていかれた。




だが助からなかったのだ…意味もない、無意味な人間によってその命は奪われた。




助けたい 変えたい 救いたい。敦はそう思っている。人間として当たり前だ。だがどうすればいい。今日は違う道から帰ったほうがいい。典男の帰り道は暗いあの道しかない。今日は通り魔に襲われるから塾には行くな。そんなことを言っても信用してもらえるわけがない。一回目の中学校生活からしても敦は他人に信用してもらえるような人間でもない。敦にはもう一つの方法があった。だが思い通りに行く可能性は極めて低い…




敦はいつも通り学校に行った。だがいつも通りには過ごせない。ミッションを失敗するより危険なことをしようとしている。敦は覚悟を決めていた。ついに今日がその日だ。




そして夜の22:00。敦は典男の塾の前で典男に気づかれないように身を潜めていた。

「ついにその時か…」

典男が塾からでてきた。そしてゆっくりあとをつけてバレないように歩いた。




歩くこと10分、ついに典男は細い路地を曲がりあの暗い道にはいった。ギリギリ典男がみえるか?くらいの距離で敦は歩いていた。するとついに典男の後ろに人影。自分の中の危険信号が鳴り響いている。敦は迷わず走ると同時にスマホで警察に通報をした。




「ぐはぁっ」



典男は刺された。遅かった。と思った次の瞬間、敦は事前に買っておいたビンを不審者に投げつけた。見事後頭部にヒットして不審者は脳震盪を起こした。不審者は一時的に典男に手を出すことができない。その瞬間、警察がきた。そして典男は病院へと運ばれた。




「この世のものとは思えない光に立ちくらみ…またあのロボットと…ぐぁ、何かが違う……」




「ミッション成功です。あの少年は病院で助かります。そう未来が記している。そして待っていました。あなたがこれほどまでに運命を変えることができるお方だと信じていて正解だった。そう思っています。」




目の前にいるのはいつものロボットではない。40歳くらいのおじさんだ。

「あなたは…」

「私は200年後からきました。名はいつかわかることでしょう。あなたには未来を変えることができる資格がある。この時代で唯一あなただけに資格がある。どうか運命を運命を!運命を!!!」

「いっきなり言われても意味がわからないんですけど…」

「失礼しました。今私たちの時代では世界が滅びようとしています。」




「え…」

いくら未来とはいえ衝撃的な出来事だ。




「地球を消すほどのものがついにできてしまった…詳しくはまだ話しませんがそのものが作られる原因がこの時代にあるのです。そのためにはあなたのお力が必要です。」

「なら何故俺に中学校生活をやり直すチャンスを…一回目の中学校生活でも別に同じ時代なんだから原因を変えることくらい…」

「勘違いしてるようですが私たちには時を巻き戻す力があるわけではない。あくまでも脳の記憶を転送させる力しかないのです。」

「それはどういう…」

「私たちの力不足です。3年時間が足りなかったのです。その準備が整った今、あなたの記憶を3年前に転送させたのです。」

「一つ聞くが俺に楽しい中学校生活を送らせてくれるんじゃなかったのか?」

「ミッションをこなせば送れます。そこは保証します。」

「お前らは俺をハメたのか?いいように、美味しい話しで誘って。」

「どうやらあなたはまだ意味をわかっていないようですね。」




こうして敦は200年後の運命を変えることになった。このとき敦はまだ楽しい中学校生活を送るためだと自分に言いきかせていた。

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