幻想に教えられた世界
正直、私にも本編をどうしたかったのか分かりません。
ただ、ただひたすら書き連ねています
海、いいですね。
空、心地よくなりますね。
季節は冬から春へと移り変わり、まだ少しだけ肌寒い頃
僕は
あの海の向こうに"彼女"を見た。
長くて美しく今にも飲み込まれそうな黒髪に、瞳。
距離はかなり離れてたと思う。
でも、僕には、はっきりと彼女を視認することができた。
海の上に立っている彼女を見て
不思議と恐怖心は抱かなかった。
むしろ、抱いたのは
好奇心だった。
'彼女は一体誰なのか'
'どこから来てるのか''人間なのか'
と僕の知識欲を掻き立てた。
はっきりと見え
はっきりと存在する"彼女"。
『あ、あの!』
声を大にして、問いかけてみた。
『そこで何をしてるんですか?』
我ながらボキャブラリーがないと
嫌悪した。
彼女の反応は。
ただ
空に向けて指を指しただけ。
『?』
意味がわからない。
海に浮いていて、問いかけたら
空を指差す。
完全に危ない子だ。
しかし、そんなのお構いなしに
僕は
『そこに居ると波に拐われますよ!!』
僕もある意味で危ない子だ。
まず、浮いている時点で人じゃないことくらい分かるはずだ。
この時の僕は、間違いなくそんなことは考えていなかった。
いや、眼中になかったと、言うべきか。
その後なんど問いかけても彼女は
ただ、空を指差すだけ。
さすがの僕も
『僕帰りますよ!!』
少し離れて僕は
『僕!ほんとーに!帰りますからねぇ!!』
その時
僕はハッとした。
とても広い海、
彼女の頭上に広がる、空。
世界がこんなにも広いなんて想いもしてなかったのだ。
見とれているうちに
彼女は居なくなっていた。
それから何度も足を運んでいるが
彼女を見たことは、あれ以来
1度もない
しかし、僕は来る度に
空と海を見渡せる位置まで行き
少しの間、この世界を眺める。
物事を狭く考える人間
視野が成長とともに
狭くなる人間である僕に
彼女は教えてくれたんだと思う。
世界はこんなにも広くて、
どこまでも続いてるんだって。
それだけで、自分達が抱いてる
悩みの壁を上れる気がする
1日だけの幻想に
僕はこの先、
ずっと感謝の念を抱くだろう。
新たな歩みを
始める糧にするだろう。
季節を越え、時を越え…
この広く明るい世界で
人間として生きていく。
世界は広いです。
諦めずに進んでください。
本編の僕のように、海に行ってみたら何かに気づくかもしれません。
心を休めるためには良いかも知れません。
読んでくれた方々に響いたら本望です。