日常
ある日、太陽が壊れた。
地球に太陽の恩営が来ることがなくなり、様々な弊害が起こる。
それから、三十年ほど後。
とある兄弟と幽霊を取り巻く環境に、変化が起き始める。
...ってのを書いてみたい。
朝がやって来た。
セットしていたアラームがなり、私を夢の世界から現実へと連れ戻す。
窓の外には、いつも通りの景色が広がっていた。
一人で寝るには大きすぎるサイズの布団から出て、朝食を作るために一階へ向かう。
朝ご飯の支度も済み、私は階段を踏みしめ、二階へと上がっていく。そして、とある襖の前で立ち止まり、
勢い良く襖を開いた!
ーパン!
和風を基調とした部屋の一角に、異彩を放つひとつのベッドが置いてあった。
そこには、ベッドで幸せそうにすやすや眠っている、私の兄さんがいた。
そして、時間の許す限り兄さんの寝顔を見るのが、私の毎朝の楽しみ。
枕元に肘を付き
「......、...............」
兄さんの寝顔を覗きこむ
「...い、は...くせ......」
癒しのじかn
「おい、はやくせんか。」
私は、癒しの時間を妨害する声を排除しようと、後ろを振り向いた。
「う~る~さ~い。ちょっと待ってなさいよ。先にご飯食べてても良いから、て言うか、下に降りてて、ジャマスンナ。」
「あほう。お主と兄とを二人きりにしとったら、いつまで経っても事が進まんじゃろうが。はよせい。腹が減った。」
「...うん...?。お......はよ...う?」
「あっ。兄さん!おはようございます!」
「ほら、お前さんの兄も起きたことだ。朝餉の用意を...」
「兄さん。後二十分ほど寝ておられても宜しいですよ。」
「...うん。おやすみ。」
「寝るな!寝かすな!阿呆め!」
これが我が家の日常。
私と兄さん。そして...
私にしか見えない幽霊との、三人暮らし。
…別に、中二病とか心の中のお友達とかそんな感じのものじゃないんです。
ついでに、一緒の布団に寝てたりしてます。
まぁ、その事については後々説明するとして...
「何をごちゃごちゃと。ほら、見てみよ。そなたの兄が、また寝てしもうた。」
まあ、まずは兄さんの寝顔を見て、エネルギーの補給をs…
「朝餉の用意をせい!」
「何か凄い既知感」
背後の幽(かじゃ無い)霊がうるさい。このままじゃ、またお兄様が起きてしまう。どうすれば...?!
「今日も、こうなるのか...。」
「うまうま。もぐもぐ。おかわり~。」
「無いわよ。私と兄さんの分まで食べるつもり?」
この幽霊は、我が家で一番食品を消費している。幽霊の癖に謎だ。
「......そなたの兄は、細いおなごの方が好みのようじゃよ?」
「ふ~ん。で?」
「いや、じゃから...」
「ふ~~ん。でッ?」
「...悲しいのう。昔は、あんなに純真無垢で可愛かったのに。」
ブチッ!
「うるさいわよ。一週間ご飯無しでもいいの?」
「そ、そんなごむたいな‼」
「じゃあ、それで我慢しなさい。」
「...はい。」
「そもそもねぇ...。」
ギシッ...ギシッ...ギシッ...ギシッ...
「あっ、そなたの兄が降りて来たぞ!」
「...覚えときなさいよ。」
ギシッ...ギシッ...ギシッ...ゴンッ!
「.........」
「.........」
ギシッ...ガダッ!...ゴンッ!
ススーー
「お...はよ......。」
「おはようございます。さあ兄さん!こちらに!朝食を準備しています。」
「ありが...と。」
「先ほど聞こえてきた音を毛ほどにも感じさせぬやり取り...。こいつら、やりよる⁉」
「うるさい。どっかに行っときなさい。
…兄さん、ご飯はこれぐらいで良いですか?」
「う...ん。もう...少し、少な...め。」
「分かりました。はい、どうぞ。」
「あり...がと。」
「どういたしまして♪」
「新婚夫婦みたいなやり取り見せられる、わしの身にもなって欲しいのう。」
「あら。まだいたの。しっしっ。向こう行っときなさい。」
「...扱いがひどいのう。」
幽霊は一言呟き、陽炎みたいにどこかに消えてしまった。
「さぁ、兄さん。朝ごはんをどうぞ。」
「いただき...ます。」
兄さんの朝食はとても早い。幽霊と違って、心配するぐらいの少食だからだ。
それでも、私の作った料理を、必ず毎朝食べてくれるのは嬉しい。
「ごちそう...さまで、した。」
「お粗末様でした。」
みんなの食事が終わると、「わしは、まだ食べたりんが...」「うるさい。」制服に着替え、学校へ向かう。
玄関で学校指定のローファーを履き、兄さんと手を繋ぎ、学校へと向かう。外ではきっと、いつも通りの朝が待っているだろう。
ー行って来ます!