雨上がりの青
白い雲を少し飾って仕上がったその空に、僕はなにを祈ろうか。
屋根の下で雨が止むのを待っていた、数分前の自分を慰めて。
こんなに綺麗な空の下で、今僕はなにを考えよう?
瞳に映るその色を簡単に言ってしまえば、それはとても勿体無い気がした。
その色の向こうで笑う彼女に微笑む。
届ける?何処まで。
地面からまだ少し残る雨の香りが漂ってきて、掴まれる前に僕は駆け出した。
空には綺麗な虹なんて見えなかったけれど。
ボロボロになるまで履き潰したスニーカーをもう少し頑張れと励まして。
左足の次に僕は、右足を前に突き出した。
次は虹も出ますように、と祈って。
空を瞼に焼き付けた。
Twitter:@dakusanno