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ある兄と妹の話  作者: ルートヴィヒ・アイリーン
序章
1/7

動き出す運命の歯車

「お前は...誰だ...?何故この部屋にいる...?」

狂気に満ちた瞳が私を見据えた。

「お前の妹だ。」

「ほぉ...父さんは僕に妹を実験台にしてもいいと言うのか、こいつとは話したこともないが、面白そうだ...」

この少年は人間じゃない。

赤く染まった鉄の装甲に身を包んだその少年は、不気味な笑みを浮かべて、私に、声を出さずにこう言った。


ーーー「遊んでやるよ」ーーー


戦慄した。一刻も早く逃げたかった。

「違う、待て、息子よ。私はお前に紹介しに来たんだ。」

「あはは、殺させてくれないの...?なんだぁ、残念だなぁ...」

そう言って少年は足元の死体を踏みつけた。

「貴方は...人間ですか...?」

思わず聞いてしまった。

「ん?さあ、僕は人間なのかな?そんなことどうでもいいじゃん...どうせすぐ死ぬんだから...ははっ...」

一瞬、少年は表情が曇った。

ああ、可哀想に、この人は何かに束縛されてる...何かに怯えている...きっとこの人をそれから解放するのが妹である私の役目なんだ...

そのとき私は決めた。

私の生涯を掛けて、この人を幸せにしようと...。

「いいえ、違います。あなたは今人間とは遠くかけ離れた存在です。でも...いつか私が、貴方を人間にしてみせます。だから...」



全てはここから始まった、血に染められた辺境の地で出会った兄と妹。

これは、ほんとうの物語...。

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