第4話「資格」
ルミナスは食堂に来ていた。
バイキング形式で、見たこともない料理の数々が並んでいる。
とりあえず、食べ慣れているものに近そうなものを選ぶことにした。
それはステーキにも見える、とんかつだ。
ルミナスの皿には切り分けていないとんかつ一枚にソースがかかっているだけのシンプルさだ。
飲み物はお酒は飲めない時間帯なので、水である。
席に座り、ナイフとフォークを使い、上品に切り、一口口へ運ぶ。
(これは、何だ!?噛めば噛むほど肉の甘みとサクサクとしたまわりの纏っているものが合わさって絶妙なソースの甘辛さが肉の旨味を引き立てている。美味い、美味いぞ)
心の興奮と行動は噛み合っていない。
ペースは急ぐ事無く淡々と食事をしているだけだ。
最後に水を飲む。
「この料理、とんかつ。恐るべし」
周りは貴族が庶民の料理食べてるといいながら、顔がいいのもあってルミナスは「漆黒の貴公子」のあだ名を生徒から手に入れたのだった。
ルミナスが教師になってから三ヶ月がたった頃。
野外演習を行うことになった。
全学年合同の演習にようやくルミナスは自分の教え子達の成果を披露する時が来たと自信満々に腕組をしている。
ルミナスの教えているクラスの生徒達は全員杖を所持していない、全員魔術を使うからだ。
演習の訓練内容は簡単だ。
訓練場内にある、球体を3つ集めゴール地点に向かうだけだ。
厳密に言えば、妨害工作にどんな魔法を行使しても良し。
――――パンッ
炎魔法が打ち上がり、煙が上る。
風魔法を利用し大体の生徒が移動する。
『空間掌握、転移!』
ルミナスのクラス全員がそう宣言すると、突如全員姿が掻き消えた。
「ブラックマン先生の担当しているクラスの生徒は身体強化ですかな? いやはや私の目にも見えない程の速度凄い成長ですな。まあ、私が本気を出せば見切れないことはないんですがね? ガハハハ」
スキンヘッドで耳が尖っている、赤い肌の教師が豪快に笑いながらそう言った。
「エリダ―先生、あれは空間と空間をつなぎ合わせて移動する高位魔法ですよ。見切れますかね?」
「何を冗談を、そんな芸当大魔道士でも出来やしない。見栄っ張りはしない方がいいですな」
「そういうことに今はしておきます」
直ぐにルミナスのクラスの生徒たちは転移でゴールに移動し、3つ持っていることが確認されたため、晴れて進級資格を得たのだった。




