第1話「復活」
「ん……俺は長く眠っていたようだな」
ボロボロの鎧には長い根が張り付き、黒髪は長く伸びている。
「マナを回復するのに、どれほどの年月がかかったんだ」
魔王ことルミナス=ルナ=ディルクルは呟いた。
根を断ち切り、起き上がると鎧を修復し、髪の毛を腰まで切ると、移動する。
「ここはマナの流れからグリム大樹海だが、こんな巨木はなかったはずだ、成長速度を考えると数千年寝ていたのか……。まぁいい、転移」
ルミナスは自分が居た国に転移していた、街につけば、満足げな表情になる。
「やはり、発展しているな」
ルミナスは街中を歩いているが、現在は城壁からみた街並みの中の一般人の格好をしている、鎧は国旗が刻まれているし、歴史書にのっているかもしれないからだ、昔の遺産を持っていることで、変に勘ぐられたくないからだ。
今は噴水に腰掛けこれから何をするか考えている。
金色の瞳が何かを思いついた様に輝いた。
「そうだ。教師になろう。現代魔法を己で学ぶこともできるいい職だ」
早速学園へ向かったのだった。
学園に入り、学園の生徒に道を訪ねながら、学園長室に着いた。
――――コンコンコン
「どうぞ、お入り下さい」
「失礼します」
中に入れば、三角帽子に黒いローブを着た老婆、学園長のテーシが居た。
「どのような件でいらっしゃったのかしら?」
「教師になりたく、こちらにお伺いしました。先行は古代呪文学です」
「古代呪文学とはなんですか?」
「古の時代に発見された魔術の詠唱公式を教える授業です。より、魔術に興味を抱いて頂きたく、馳せ参じました」
「興味ですか、確かに興味はありますね、元来魔法とは詠唱破棄で行うもの、詠唱を行う魔法もあってもいいかもしれません。実演して見せてくれますか?」
「勿論です」
ルミナスとテーシが訓練場に居る、それに興味を持った生徒も数名廊下から見つめていた。
「では、始めて下さい」
「氷の茨よ、締めよ、締めよ、締めよ。アイスロック」
的が凍りつき、氷の薔薇が咲いた。
「こ、これは……杖はどこですか?」
「杖ですか?杖は使いませんよ、補助道具は必要ありません」
「杖もなしにこんな芸当ができるなんて、信じられないですが、いいでしょう。貴方を古代呪文学臨時教師として認めます」
「ありがとうございます」
「貴方の名前は?」
「マナ=ブラックマンです」
ルミナスは魔王としての名前を捨て、マナ=ブラックマンとしての人生を歩むことにしたのだった。




