路〜誕生(7)
アラキがニヤニヤしながら話し始めた。
「びっくりしただろ。俺が幽霊ってのは本当でね。死んだ状態、つまり常人なら、死んで当然の状態になった時に魂が体から抜け出ちまうんだよ。」
シャーベットがポカンとしながら聞いていると、ザザが続けた。
「だから、その魂を捕まえて、もっかいそいつの体の中に戻さなきゃならない。だが、その魂ってのは味が最悪らしくてね。少しでも美味しく食べる為にこうやって、調理しているわけだ。」
「ホント最悪な味なんだぜ、なんつーかー、こう、ドブと生ゴミを煮詰めた後、他人のゲロをトッピングしたみてぇな。」
説明を聞いただけでも気分が悪くなる。そんな味なら調理しなければならないのも納得だ。
3人が話し始めて15分ほど経った頃、ザザが完成した料理を机に並べ始めた。
元々、椅子に座っていたシャーベットの向かい側にソファから焦るように立ち上がったアラキが座った。
「あい、魂の生姜焼きだ。」
「おー、うっまそ。お前昔から料理上手だよなー」
アラキが料理に覆い被さる勢いで目を輝かせて眺めている。
「あの、今更なのですが、私が魂を食べてもよろしいんでしょうか。」
シャーベットがずっと疑問に思っていたことを口にした。
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