路〜誕生〜(6)
ザザは奥の部屋でなにか作業をしていた。
「?」
シャーベットが疑問に思っていると、ザザが視線に気づいたのか、こちらを向いて話し始めた。
「今、アラキの死体の処理をしてるんだよ」
「???」
突然意味不明なことを言われてシャーベットの頭は空っぽになってしまった。色々と考えすぎてそう思えるだけかもしれないが。
「さっき君がアラキを殺してしまっただろう?それの後処理だよ。」
ーー後処理と言っても、アラキはすぐそこに立っているじゃないか。すぐそこのソファから顔を乗り出し、組んだ腕の上に顔を乗せてニヤニヤしてこちらをじっと見ている。
ザザの言うことが全く分からず、アラキとザザを交互に見ているとザザが再び口を開いた。
「詳細は省くが、アラキはこれでいて幽霊でね、殺されると魂が抜けるんだ。だから、魂を戻す準備をしている所なんだよ。」
いきなりの話にシャーベットの口が塞がらないでいると、今度はアラキがニヤニヤしながら話し始めた。
「つまり、俺が自分の魂喰うからその魂料理してるってこと。今までに幽霊とか魂関係の話聞いたことなかった?」
そう言われてハッと都市伝説の様な話を思い出す。
この業界には不死身の暗殺者がいて、そいつは頼まれた仕事はなんでもこなすと。
誰かの話によると、そいつらは2人組だが、もう一人はいつも包丁を持っているらしく、その包丁で相方の体から出たなにかを調理しているところを見たらしい。
まさかその話が本当で、それがこいつらだったとは……
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