路〜誕生〜(5)
「おいシャーベット!」
暫く廊下の壁にもたれながら様子を見ていたアラキがついに口を開いた。
「あ、ああなんだ?」
直後しまったとシャーベットは思った。
自分の命を掴んでる人間にはとにかく失礼を働いてはいけないのに。
「す、すみま」「入るでいいんだよな?」
「え?」
結論を考えている時に、された質問のせいで少し頭が慌てた。
「いいよな?」
「は、はい」
迫力とかその他諸々に圧倒されて思わず肯定してしまった。
「よっしゃ!これでお前も俺たちの仲間だ!これからよろしくな!」
「よ、よろしくお願いします。」
「敬語なんていらねぇよ!仲間なんだから!」
「じゃあよろしく、です」
ハハハッとアラキの豪快な笑い声か部屋一帯を包み込んだ。
これから私はここでやっていけるのだろうか。
いや、やるんだ。
なるべく早くこの2人を殺して私の情報を始末しなければいけない。
そうでなければ私は……
少し思考の海に潜りそうなところを堪えて現実に戻った。
「それじゃあ、こっち来い。部屋ぁ案内してやるよ。」
そう言われてアラキの後ろに着いて行った。
今なら殺せるかもしれないとも思ったが、先程のことを思い出して諦めた。
ちなみに、ザザはというといつの間にか奥の部屋に行き、何やら作業をしている。
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