路〜誕生〜(3)
「説明するぞ。」
顔を上げた女?にザザは外向け用の顔でクシャッと笑いながら説明し始めた。
「今回依頼を受けたのは君…シャーベットであってるよね。」
「…」コクリと女は小さく頷いた。
ザザは返事を待ってから顔を崩さず話を続けた。
「今回依頼したのは、アパート朧月103号室に住んでいる2人を殺せって言うものだったよね。」
「…」女は再びコクリと頷く。
「でもその依頼、偽物なんだよね。」
「…は?」相当驚いたのか女は思わず声を上げた。
ザザは何にもなかったような顔で話し続けた。
「本当の依頼は僕達の新しい仲間探しだったんだよ」
「………」
女は沈黙を貫いた。
どう反応すれば分からなかったからだろう。
表情は見えないが、困惑している顔がうっすらとヘルメットの奥に見えた。
「まあ、お前は今日から俺らの仲間っていうことだ。よろしくな。俺がアラキで、あっちが…」
「ま、待ってください!」
いつのまにか銃を下げていたアラキの言葉を慌てた様子で振り返りながら女は遮った。
「私、入るって一言も言ってませんけど!
しかも、依頼が偽物だったとか詐欺じゃないですか!」
女は叫ぶ様に主張した。ヘルメットの奥にうっすらと見える顔は必至の形相である。
「それに、貴方達私のこと知ってるんですか?」
「もちろん」
ザザはサラッと当然の様に答えた
「これから仲間になる人のことはちゃんと調べなきゃだからね。依頼を受けてくれた時、それなりにだけど調べた。」
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